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あおえ動物病院

2014年3月28日に、岡山県岡山市北区青江に新規開院した動物病院のブログです。

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犬の血液型と輸血2

昨日の続きです。



一度輸血を受けたわんちゃんは抗体ができるため、2回目からは血液型を合わせないといけません。



そして、一般的に言われている献血に適さないわんちゃんの条件が以下の通りです。



1、過去に「輸血を受けた」ことがある

2、妊娠、出産したことがある

3、全身性の感染性皮膚疾患がある

4、これまでに血液媒介性の感染症に罹患または罹患した疑いがある(バベシア症や犬ブルセラ症など)

5、秋田犬



1、は抗体ができてしまっている可能性があるため、輸血できるわんちゃんの種類が限られてしまうためです。



2、はわんちゃんは妊娠をすると、抗体ができてしまうコがいることがわかっているので、1と同じ理由で適さないということになります。



3、4、は感染症のリスク回避のためです。



5、は秋田犬は赤血球細胞内のカリウム濃度が高いため、供血に向かないと言われているためです。



ただ、絶対に輸血できないというわけではありません。



交差適合試験(クロスマッチ)というものがあり、少量のドナーとレシピエントの血を混ぜて凝集反応が起きなければ拒絶反応が起きないと証明できるので、輸血できます。



3、4も感染症のチェックを行って、罹患してないことを確認できれば、使うことができます。



ただ、手間とコストがかかるので、事前にそういうチェックをしなくてもいいように、ふるい分けしているのですね。



なので、最初の問い



Q.「妊娠、出産した犬を供血犬にできないのはなぜなのか?」



の答えは、



A.「できなくはないが、犬では妊娠後に赤血球抗原に対する抗体が出来ることがあるため、輸血出来る犬が限られてしまう可能性があるのと、輸血前にクロスマッチを行う手間が増えてしまうため、あらかじめ条件をつけて供血犬のふるい分けをしている。」



と言ったほうが正確かもしれません。



長くなってしまい申し訳ありませんでした m(_ _)m
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NO TITLE

 先生のブログは いつも 勉強になります  私のような医療の知識がない者が拝見しても 理解できるほど わかりやすく書かれてると思います

 昨日は さくらの検診 ありがとうございました 異常がなくて ほっとしました しかも 思いがけず ちゃー君 マロンちゃんに会うことができて 嬉しかったです いろいろ お話しして 飼い主様に とても大切にされてるのを感じました
 次回は混合ワクチンです これからもよろしくお願いします☆

 追伸 日曜日ということもあったのか 次々 患者さんが来られて 待ち時間があったのが 嬉しかったです
 先生のお人柄なら 患者さんも 増えていくと信じてましたが とても 嬉しい 一日でした

NO TITLE

P様

コメントありがとうございます。
お褒めの言葉ありがとうございます。
まだまだ林先生の域には達していないと思いますが、明確な目標があるので、それに向かって邁進していきたいと思っております。
たしかに岡山は血管内ステントや、生体肝移植など医療が進んでますよね。
今週は大きな予定手術があるので行けませんが、出来る限り、ヒトの献血にも協力したいと思います。
そのときはお手柔らかにお願いしますね(笑)



K様

コメントありがとうございます。
ちょっと補足させてもらうと、妊娠しても100%抗体ができるわけではないようです。
おそらく父親の血液型との関係があるのでしょうね。
そして、抗体を持っていても、同じ血液型であれば輸血可能です。
1回目は抗体がないので、血液型不問で輸血可能、
2回目以降は抗体が出来るので、血液型を合わせる必要があるというわけです。
ちょっとややこしいですね。。。



ポッケ&さくらママ様

コメントありがとうございます。
ブログの内容、褒めていただきありがとうございます。
待ち時間が多くて喜んでいただける飼い主様はポッケ&さくらママ様だけです(笑)
こちらこそこれからもよろしくお願いします。

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