fc2ブログ

あおえ動物病院

2014年3月28日に、岡山県岡山市北区青江に新規開院した動物病院のブログです。

02月« 2023年03月 /  12345678910111213141516171819202122232425262728293031»04月
BLOGTOP » 動物病院ができてから » TITLE … 犬の血液型と輸血

犬の血液型と輸血

ある飼い主さんから次のような質問を頂きました。



Q.「妊娠、出産した犬を供血犬にできないのはなぜなのか?」



それに対する答えは次のようになります。



A.「犬では妊娠後に赤血球抗原に対する抗体が出来ることがあるため。」



端的に言ってしまえば、こうなるのですが、これだと味気ないので、ちょっと補足していきたいと思います。



皆様、犬でも血液型があるのをご存知でしょうか?



ヒトではABO式、Rh式といった血液型分類がありますね。



A型のRh(+)とかそういうやつです。



何のために血液型を調べるのか?



輸血の際に拒絶反応が起きないようにするためです。



拒絶反応とは何か?



A型のヒトにB型の血液を入れると、A型のヒトの体が、B型の血液を異物だと認識して血液(赤血球)を破壊してしまいます。



なぜ異物と認識してしまうのか?



赤血球の表面にB型を示す印があるからです。



そしてヒトでは、最初からA型の方はB型の赤血球を攻撃するミサイル(抗体)を持っています。



このような、生まれながらに持っている抗体のことを「自然抗体」と言います。



なので、A型にはA型、B型にはB型の血液しか入れられないわけです。



犬はどうでしょう?



いろいろな分け方があるみたいですが、DEA1.1、1.2、3、4・・・という分類が国際的によく用いられています。



ちなみにDEAはDog Erythrocyte Antigen:犬赤血球抗原のことです。



赤血球の表面に「DEA1.1」という印があるか、「DEA1.2」という印があるか、というふうに分類するわけです。



あるわんちゃんの血液型は「DEA1.1(+)、DEA1.2(ー)、DEA3(+)、DEA4(ー)・・・」



という風になります。



理想的にはそのすべてが合致した血液を輸血したいのですが、DEAは13種類くらいあり、その印の組み合わせがすべて一致したわんちゃんを探すのは相当大変です。



なので、経験的に、DEA1.1さえ一致していれば、輸血をしても重度の拒絶反応を起こさないことがわかっているので、DEA1.1だけ調べる検査キットが売られています。



そして、ヒトと大きく違うのは、犬には「自然抗体」がありません。



なので、1回目の輸血は、DEAが全く違うコでも、拒絶反応を起こしません。



輸血されたときに、初めて「こいつは違う」というミサイル(抗体)が作られるのです。



長くなるので明日へ続きます。。。
スポンサーサイト



*** COMMENT ***

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

NO TITLE

今日、嬉しいことが2つありました。診察を待っているときに向かいに座っている方にお声掛けいただいたのです。ブログでよく拝見しているポッケ&さくらママさんでした。初めてお会いするのに初めてではないような、ブログの力ってすごいですね。たくさんお話をしていっぱい元気をいただきました。
そして、診察をして頂いたら今日は点滴はいらないといわれました。体重も増えているし元気もあるので大丈夫と。吉木先生に診ていただいてもうすぐ一か月になります。あの頃に比べたらほんとに良くなって嬉しいです。
マロンは今、スヤスヤ寝息をたてて寝ています。寝顔を見てああ本当によかったなあと思います。
ポッケ&さくらママさん、先生、ありがとうございます。

NO TITLE

こちらこそ お会いできて 嬉しかったです 私の方も マロンママさんに 元気をもらいました ありがとうございます 初めてとは 思えないほど話が弾んで 楽しかったです
 マロンちゃんの 元気な姿を拝見できて とってもハッピーです
ほんとうに よかったです♪

NO TITLE

P様

コメントありがとうございます。
輸血時の採血は、わんちゃんの場合、首の血管が一番太くて採血しやすいので、一般的に首から採血します。
ただ、協力的なコもいれば、そうでないコもいるので。。。
場合によっては、鎮静剤を使って採血する時もあります。
またいろいろ質問いただければと思います。
こちらもいろいろ勉強させて頂いております。



マロンの飼い主様

コメントありがとうございます。
マロンちゃん、あれからもう1ヶ月になるのですね。
最初診させて頂いたときは、正直ここまで良くなるとは思っていませんでした。
いい方向に予想を大きく裏切ってくれて、本当に嬉しいかぎりです。
病気自身が重いものですので、楽観視はできませんが、ここまで良くなったのは、マロンちゃんの生命力と、飼い主様の献身的な介護があってのことだと思います。
これからも、このいい状態が少しでも長く続くよう、サポートさせて頂きたいと思います。



ポッケ&さくらママ様

コメントありがとうございます。
ポッケ&さくらママ様も辛い病気を抱えたわんちゃんの飼い主様でしたので、マロン様と交流して頂き、共感していただけるのは本当にありがたいと思います。
これからも少しずつ、飼い主様同士の輪が広がっていったらいいなと思います。

COMMENT投稿

管理人にだけ読んでもらう