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あおえ動物病院

2014年3月28日に、岡山県岡山市北区青江に新規開院した動物病院のブログです。

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犬の皮膚病(食物アレルギー)について

4月も半ばになり、だんだん暖かくなってきて、過ごしやすい季節になりました。



ただ、皮膚の弱いわんちゃんにとっては、これからの季節、梅雨などは、皮膚が蒸れやすくなったり、ノミ、ダニ感染が出てきたりとつらい季節になりがちです。



ホームページでもお伝えしましたが、青江近辺にお住まいのかたは特に、虫の発生が早いため、ノミダニ予防やフィラリア予防など、早めにされることをおすすめしています。



ただ、そういった予防をしっかりしていてもなお、アトピー性皮膚炎のコはかゆみが出てしまいます。



アトピー性皮膚炎の原因は、僕ら人間と同じように、体質的なもので、環境中のホコリ、ダニ、雑草、花粉など、ありとあらゆる物質に皮膚の免疫が過剰に反応してしまうのです。



環境中のもの以外で、食物に反応してしまうコもいます。



そういったコは食物アレルギーといい、主に食物中のタンパク質に免疫が反応してしまいます。



症状が初めて出たのが1歳未満、季節性がない(年中いつもかいている)などの場合は特に食物アレルギーを疑います。



皮膚の症状の出る場所も特徴があり、目、耳、口の周囲、足先、肛門周り、背中に出やすいです。



食物アレルギーの場合は原因となっている食物を食べさせなければ、症状は収まります。



ただ、原因となる食物は千差万別でそのコそのコによって変わるため、なかなか特定するのが難しいです。



特定できなくても、病院用の処方食の、タンパク質をアミノ酸レベルまで分解してあるフードだけを食べていれば、食物アレルギーは治まります。



なので、治療的には食物アレルギーの場合は、とりあえずそのフードだけをずっと食べていれば十分です。



ただ、食物アレルギーは先ほども書きましたが、若いコが圧倒的に多いです。



その後の長い人生、ずっとその限られた食事だけというのはあまりにかわいそうな気がします。



なので、その食事の選択肢を増やす意味で、アレルギー検査をすすめることもあります。



外注検査なので、費用がかかりますが、血液検査でアレルギーになりやすい主要なものについてアレルギーがあるのかどうか調べることができます。



先日調べさせていただいた、1歳未満の柴犬のコも、最初飼い主様は鶏肉のアレルギーを疑われて、食事を鶏肉の入っていないものに変更していたのですが、調べてみたら、鶏肉は大丈夫で、実は変えたフードに入っていた玄米がアレルギーでした。



そうした場合、鶏肉は与えても大丈夫という安心感が芽生えますので、食の楽しみを与えてあげることができます。



治療方針は様々あり、獣医師の考え方や、飼い主様のペットを取り巻く環境などによって選択肢は山のように考えられますが、病気を突き止めるだけでなく、その後のペットのQOL(生活の質)を上げられるような検査があってもいいと自分は考えています。



もちろん皮膚病は、アレルギー以外にも様々な疾患がありますので、アレルギーを疑われている方も、一度病院でしっかり皮膚の診察を受けていただければと思います。
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