アルファキサロン買ってみた
[No.240] 2014/11/09 (Sun) 23:58
より安全な麻酔薬を求めて、今年7月頃に日本で新発売した新しい注射用麻酔薬を買ってみました。

アルファキサロンは犬猫用の麻酔導入、維持薬として海外では10年ほど前から使用されている薬だそうです。
似たような注射用麻酔薬として、ケタミンやプロポフォールがありますが、ケタミンは麻酔の効いている時間(作用時間)が長めなので、重症患者には使いづらいのと、麻薬指定されているので管理が面倒という欠点があります。
プロポフォールは、作用時間は短時間なので重症患者にも使えますが、基剤に卵黄レシチンや大豆油を用いているため、細菌が繁殖しやすく、開封後は保存が効かないのと、稀に卵のタンパクに反応してアナフィラキシーを起こす可能性や、油が入っているので、膵炎の症例には使いづらい印象があります。
その点、アルファキサロンは水溶性なので、ケタミン同様保存が効き、アナフィラキシーを起こさないのと、麻薬ではないので管理が楽で、短時間作用なので重症患者にも使えるといった、多くのメリットを持っています。
あと、個人的に素晴らしいと思ったのは、犬の帝王切開時の使用が認められていることですね。
胎児への麻酔の影響が少ない薬剤として、今までは導入薬としてプロポフォールのみ経験的に使っていましたが、ある程度の制約つきでも製薬会社が使用を認めた薬が世に出てきたというのは、獣医師として大変有り難いと思います。
ただ、犬のみで、猫には使ってはいけないようです。

もちろん、アルファキサロンと言えども短所もあり、肝臓に代謝を依存しているので、あまり重度の肝疾患の患者には使えないのかなと思っていますが、安全性の高い麻酔薬の選択肢が1つでも増えるのはとても喜ばしいことだと思います。

アルファキサロンは犬猫用の麻酔導入、維持薬として海外では10年ほど前から使用されている薬だそうです。
似たような注射用麻酔薬として、ケタミンやプロポフォールがありますが、ケタミンは麻酔の効いている時間(作用時間)が長めなので、重症患者には使いづらいのと、麻薬指定されているので管理が面倒という欠点があります。
プロポフォールは、作用時間は短時間なので重症患者にも使えますが、基剤に卵黄レシチンや大豆油を用いているため、細菌が繁殖しやすく、開封後は保存が効かないのと、稀に卵のタンパクに反応してアナフィラキシーを起こす可能性や、油が入っているので、膵炎の症例には使いづらい印象があります。
その点、アルファキサロンは水溶性なので、ケタミン同様保存が効き、アナフィラキシーを起こさないのと、麻薬ではないので管理が楽で、短時間作用なので重症患者にも使えるといった、多くのメリットを持っています。
あと、個人的に素晴らしいと思ったのは、犬の帝王切開時の使用が認められていることですね。
胎児への麻酔の影響が少ない薬剤として、今までは導入薬としてプロポフォールのみ経験的に使っていましたが、ある程度の制約つきでも製薬会社が使用を認めた薬が世に出てきたというのは、獣医師として大変有り難いと思います。
ただ、犬のみで、猫には使ってはいけないようです。

もちろん、アルファキサロンと言えども短所もあり、肝臓に代謝を依存しているので、あまり重度の肝疾患の患者には使えないのかなと思っていますが、安全性の高い麻酔薬の選択肢が1つでも増えるのはとても喜ばしいことだと思います。
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