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あおえ動物病院

2014年3月28日に、岡山県岡山市北区青江に新規開院した動物病院のブログです。

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猫の椎体骨折について

先日無事退院した、高所から落下してしまった猫ちゃんのお話です。



昼の時間外に来院され、両後肢が完全麻痺している状態でした。



レントゲン検査にて11番目の胸椎(T11)が骨折しているのが確認できました。



猫椎体骨折1



ちなみに前回の記事で、T12-T13の椎体脱臼と書いてしまったのですが、よく見ると、椎間の構造ははっきりと見えており、さらにこのコの場合は、腰の背骨(腰椎)が6つしかなかったのですね。



本来、犬猫の腰椎は7つあるのですが、たまに解剖学的な奇形で6つしかないコや、最後肋骨がほとんどなく、8つに見えてしまうコもいます。



今回みたいに明らかに骨がずれている場合は間違えようがないですが、椎間板ヘルニアの手術などでは、骨を削る位置を確認するために椎体の数や肋骨の位置を参考にするので、場所を間違えないように気をつける必要があります。



余談が長くなりましたが、体に激しい衝撃を受けているのは確実でしたので、内臓の損傷の可能性も疑い、先ず、状態の安定化を最優先に点滴治療を開始しました。



そして、状態が安定したところで、後肢麻痺と排尿障害が残ってしまったため、少しでも麻痺の改善させるため、神経の圧迫の解除と背骨の固定を目的とした手術をさせていただくことになりました。



手術は背側正中からアプローチし、筋肉を椎体から剥離し、骨折部分を露出しました。



そして、神経の圧迫解除のため、骨折部分の前後T10−T12の背中の骨を削りました(背側椎弓切除)。



削る直前にレントゲンで場所を確認しております。



猫椎体骨折2



背側椎弓切除後の写真。神経の圧迫が解除されているのが確認できます。



IMG_1331.jpg



次に、出来るだけ神経が正常な位置になるように骨折面を合わせ、その前後の椎体に金属のプレートとスクリューで固定を行いました。



IMG_1334.jpg



術後のレントゲン写真。
骨折部分の前後に2本ずつスクリューを入れています。



猫椎体骨折3



長丁場の手術になってしまいましたが、麻酔の覚醒も問題なく、無事に乗り切ってくれました。



IMG_1335.jpg



後はしばらく安静ののち、ある程度期間を空けてから、少しずつリハビリを行いました。



退院時には、完全に歩けるようにはなれませんでしたが、排尿障害は改善し、後肢麻痺も完全麻痺から不全麻痺くらいに改善しました。



神経の回復には長期間要することも多いので、これからもリハビリで少しずつ麻痺が改善してくれることを期待しています。
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