犬の心臓病について2
[No.129] 2014/07/11 (Fri) 23:44
前回の続きです。
前回は、犬に多い心臓病の1つである「僧帽弁閉鎖不全症」が進行すると、肺水腫になる理由を書きました。
今回は治療についてです。
普通に考えれば、僧帽弁がダメになっているので、弁を直せばいいということになります。
弁を直すには、弁形成や、人工弁置換など、外科手術ということになります。
ただ、獣医療では、手術を行っている施設が圧倒的に少ないのと、治療費が高額になるなどの事情で、今の所、内科治療がスタンダードな治療法になります。
内科治療は、投薬によって心臓病の悪化を遅らせ、肺水腫になるのを食い止める治療です。
当然のことですが、薬で弁を治すことはできません。
薬で抑えるのは、弁がダメになることによって起きる、心臓の二次的な変化です。
前回の話で、
①僧帽弁がダメになる
②肺への血液の逆流量が増え、全身に送る量が減る
③全身へ送る量を戻そうと心臓が頑張る
④心肥大が起き、ポンプの力が強くなるので、さらに逆流量が増える
②に戻る
という悪循環を繰り返す話をしました。
それを薬を使って、この悪循環を断ち切ることが、内科治療になります。
具体的には、初期の僧帽弁閉鎖不全症の治療は、心肥大にならないように、心臓に頑張らせないようにすることが目標です。
そのために、一番最初に使う薬は「ACE阻害薬」になります。
ACE阻害薬は、簡単に言えば、血管拡張薬になります。
血管を広げ、全体の血圧が下がると、より少ない力で全身へ血液を送ることができるようになるため、心臓がそれほど頑張らなくても済みます。
なので、心臓の悪化を遅らせることができます。
この時に、補助的に「硝酸薬」という別の血管拡張薬や、心拍数を抑えるために「β遮断薬」を併用したりすることもあります。
ただ、あくまで遅らせるだけなので、最終的には、心肥大による咳の悪化、やがては肺水腫を起こしてしまいます。
ACE阻害薬で抑えられなくなってくると、より強い薬が必要になってきます。
その時に使うのが、「強心薬」や「利尿剤」になります。
また長くなってしまったので続きます。。。
前回は、犬に多い心臓病の1つである「僧帽弁閉鎖不全症」が進行すると、肺水腫になる理由を書きました。
今回は治療についてです。
普通に考えれば、僧帽弁がダメになっているので、弁を直せばいいということになります。
弁を直すには、弁形成や、人工弁置換など、外科手術ということになります。
ただ、獣医療では、手術を行っている施設が圧倒的に少ないのと、治療費が高額になるなどの事情で、今の所、内科治療がスタンダードな治療法になります。
内科治療は、投薬によって心臓病の悪化を遅らせ、肺水腫になるのを食い止める治療です。
当然のことですが、薬で弁を治すことはできません。
薬で抑えるのは、弁がダメになることによって起きる、心臓の二次的な変化です。
前回の話で、
①僧帽弁がダメになる
②肺への血液の逆流量が増え、全身に送る量が減る
③全身へ送る量を戻そうと心臓が頑張る
④心肥大が起き、ポンプの力が強くなるので、さらに逆流量が増える
②に戻る
という悪循環を繰り返す話をしました。
それを薬を使って、この悪循環を断ち切ることが、内科治療になります。
具体的には、初期の僧帽弁閉鎖不全症の治療は、心肥大にならないように、心臓に頑張らせないようにすることが目標です。
そのために、一番最初に使う薬は「ACE阻害薬」になります。
ACE阻害薬は、簡単に言えば、血管拡張薬になります。
血管を広げ、全体の血圧が下がると、より少ない力で全身へ血液を送ることができるようになるため、心臓がそれほど頑張らなくても済みます。
なので、心臓の悪化を遅らせることができます。
この時に、補助的に「硝酸薬」という別の血管拡張薬や、心拍数を抑えるために「β遮断薬」を併用したりすることもあります。
ただ、あくまで遅らせるだけなので、最終的には、心肥大による咳の悪化、やがては肺水腫を起こしてしまいます。
ACE阻害薬で抑えられなくなってくると、より強い薬が必要になってきます。
その時に使うのが、「強心薬」や「利尿剤」になります。
また長くなってしまったので続きます。。。
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