嵐のような出来事
[No.232] 2014/10/30 (Thu) 23:58
先日お話しした、「嵐のような出来事」のことを書いてみたいと思います。
若いネコちゃんの去勢手術をさせていただいたのですが、術後、覚醒時に痙攣発作を起こし、発作重責状態となってしまいました。
麻酔によるアナフィラキシーショックを疑い、急いで発作を抑える治療と、ショックに対する治療を行いながら、飼い主様に連絡しました。
すぐに飼い主様とそのご家族の方々がお越しくださり、治療中の昏睡状態のネコちゃんのそばで必死の思いで付き添ってくださいました。
発作を抑える治療として、鎮静剤を用いるのですが、鎮静剤が切れると発作が再発してしまうので、少しずつ追加投与しながら、発作が落ち着くのを待ちました。
そして、5時間ほど治療を続けた結果。。。
発作が落ち着き、なんとか酸素室へ移動できる状態まで回復しました。
このような状態から亡くなってしまうコも多い中、回復できたのは、飼い主様の呼びかけにネコちゃんが必死に応えてくれたのではないかと感じました。
その後、順調に回復し、次の日には無事退院することができました。
その次の日に一度、発作を起こしてしまいましたが、その後は後遺症を感じさせず、同居ネコちゃんと元気に走り回っているようです。
一般的には避妊・去勢手術は安全な手術とされていますが、残念ながら100%安全とも言えないのが現実です。
術創が少し化膿したというような軽度な(治療により完治する)合併症から、重度な(後遺症、死亡等も含めた)合併症までの報告があります。
他院での発生事例として、術後に血栓が後肢に発生、壊死したため断脚を余儀なくされたケースや、腎臓に血栓もしくは還流不全が発生し、腎不全に陥ったケース、術後数週間後にFIP(猫伝染性腹膜炎)を発症して死亡したネコちゃんのケース(周術期ストレスが発症に関与?)などが報告されています。
海外の報告では、2002~2004年の間に188000頭の動物を麻酔した中で、死亡率はイヌ0.05%、ネコ0.11%であったとされています。
そして麻酔に対するアナフィラキシーショックなどは、どんなに検査をし尽くしても現在の獣医療レベルでは予見できません。
おそらく今後も、麻酔のリスクを完全に0にすることはできないと思いますが、「安全な麻酔薬は存在しない。安全な麻酔法もない。存在するのは安全な麻酔医のみである。」を肝に銘じ 、少しでも0に近づける麻酔、手術を目指したいと思います。
若いネコちゃんの去勢手術をさせていただいたのですが、術後、覚醒時に痙攣発作を起こし、発作重責状態となってしまいました。
麻酔によるアナフィラキシーショックを疑い、急いで発作を抑える治療と、ショックに対する治療を行いながら、飼い主様に連絡しました。
すぐに飼い主様とそのご家族の方々がお越しくださり、治療中の昏睡状態のネコちゃんのそばで必死の思いで付き添ってくださいました。
発作を抑える治療として、鎮静剤を用いるのですが、鎮静剤が切れると発作が再発してしまうので、少しずつ追加投与しながら、発作が落ち着くのを待ちました。
そして、5時間ほど治療を続けた結果。。。
発作が落ち着き、なんとか酸素室へ移動できる状態まで回復しました。
このような状態から亡くなってしまうコも多い中、回復できたのは、飼い主様の呼びかけにネコちゃんが必死に応えてくれたのではないかと感じました。
その後、順調に回復し、次の日には無事退院することができました。
その次の日に一度、発作を起こしてしまいましたが、その後は後遺症を感じさせず、同居ネコちゃんと元気に走り回っているようです。
一般的には避妊・去勢手術は安全な手術とされていますが、残念ながら100%安全とも言えないのが現実です。
術創が少し化膿したというような軽度な(治療により完治する)合併症から、重度な(後遺症、死亡等も含めた)合併症までの報告があります。
他院での発生事例として、術後に血栓が後肢に発生、壊死したため断脚を余儀なくされたケースや、腎臓に血栓もしくは還流不全が発生し、腎不全に陥ったケース、術後数週間後にFIP(猫伝染性腹膜炎)を発症して死亡したネコちゃんのケース(周術期ストレスが発症に関与?)などが報告されています。
海外の報告では、2002~2004年の間に188000頭の動物を麻酔した中で、死亡率はイヌ0.05%、ネコ0.11%であったとされています。
そして麻酔に対するアナフィラキシーショックなどは、どんなに検査をし尽くしても現在の獣医療レベルでは予見できません。
おそらく今後も、麻酔のリスクを完全に0にすることはできないと思いますが、「安全な麻酔薬は存在しない。安全な麻酔法もない。存在するのは安全な麻酔医のみである。」を肝に銘じ 、少しでも0に近づける麻酔、手術を目指したいと思います。
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