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あおえ動物病院

2014年3月28日に、岡山県岡山市北区青江に新規開院した動物病院のブログです。

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またまた

昨日と今日と、猫ちゃんの手術をさせていただいたのですが、飼い主様よりそれぞれ差し入れを頂いてしまいました。



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本当にありがとうございます m(_ _)m



手術後の疲れた体に、こういった甘くて美味しい食べ物は本当に癒されますね。



ただ、手術を任せてもらうこと自体が、自分にとってご褒美のようなものなので、貰い過ぎているようで恐縮しております。。。
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3件

今日は猫ちゃんの避妊、去勢手術を計3件させていただきました。



動物病院の宿命なのか、暇なときは超暇で、手術しない日が続くことも多いのですが、重なる時は重なるもので、手術のある日が続くこともあります。



ただ、以前は重なっても1日2件でしたので、少しずつ当院を利用してくださる飼い主様が増えているのかなと嬉しく思いました。



いつも思っていますが、大切なペットたちの手術を任せてくださるというのは、獣医師にとって非常に光栄なことです。



期待に応えられるよう、これからも全身全霊で臨みたいと思います。

久々に

昨日お預かりしていた低血糖のわんちゃん、無事に状態が落ち着いたので、今日退院とさせていただきました。



最近は連日のように入院のコがいたので、ずっと病院で寝泊まりしていたのですが、今日は久々に家の布団で寝られそうです。



病院でもなるべく快適に仮眠できるようにはしていますが、やはり病院で入院のコを気にしながら寝るのと、家で寝るのとでは睡眠の質が全然違います。



RPGで、宿屋に泊まってHPを全快にするような感覚ですね(笑)



休める時には休んで、明日からまた頑張りたいと思います。

低血糖

今日は時間外で、意識レベルが傾眠状態に陥ってしまった仔犬が来院されました。



血液検査をすると、本来80前後あるはずの血糖値が15しかありませんでした。



前にも書いたかもしれませんが、仔犬のコは、肝臓が未発達なので、糖分の貯蓄能が弱く、何らかの原因で食べられなくなると、すぐに低血糖になり、脳に栄養が送られなくなることで、致命的な状態になってしまいます。



状態が非常に悪かったので、入院での治療とさせていただき、急いで糖液を静脈から入れると、意識レベルは正常に戻り、高カロリーの栄養食を少しずつですが食べられるようになりました。



ただ、仔犬のコは、下痢や嘔吐など、ちょっとしたきっかけで状態が急変することもあるので、夜も慎重に看ていきたいと思います。



なんとかこのまま、悪い状態を脱してくれればと願っています。

悩んだ末に出た答えなら

命に関わる重い病気を患っているコに対し、治療の選択肢が複数ある時、



「先生ならどうなさいますか?」



と、飼い主様から質問されることがあります。



そんなときは必ず、自分なりの意見を述べるようにしています。



誤解を恐れずに書くと、自分は獣医師としての信念として、



「毒にも薬にもならない人間にはなりたくない」



「見殺しよりは人殺しのほうがいい」



と考えています。



なので、リスクがあっても、劇的に良くなる可能性のある治療(手術など)があるのであれば、そちらをすすめます。



ただ、悪性腫瘍など、どんなにリスクを取って手を尽くしても、治らない病気に対しては、とても悩みます。



それぞれの治療のメリットとデメリット、飼い主様の意見、生活環境、予想されうる予後など、様々なことを慮ります。



そうして悩んだ末に出した答えを、飼い主様に提案します。



そもそも治らない病気に対しては、見方によっては、どの選択も正しいといえますし、間違っているともいえます。



なので、飼い主様が少しでも正しいと思われる選択をする手助けをするためには、どれだけ自分の全人間力を使って必死に悩みぬけるかだと思っています。



Mr.Childrenの「CENTER OF UNIVERSE」という曲に、好きな歌詞の一節があります。



「悩んだ末に出た答えなら 15点だとしても正しい」



真理をついているなと思います。

猫の尿道閉塞について2

今日は、昨日からおしっこが出なくなってしまった猫ちゃんを診させて頂きました。



しかも2件です。



全く別の飼い主様が連れて来られたのですが、どちらも男のコで、同じような毛色のコでした。



重なる時は重なるものですね。。。



一方のコは、陰茎の出口に、チーズのような栓塞物質が見えており、がっつりと詰まっておりました。



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ここまでなってしまうと、麻酔をかけての処置が必要になります。



尿道の閉塞を解除し、膀胱内を洗浄しました。



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とれたチーズ様の物質は、顕微鏡で調べると、結晶の塊でした。



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前回もお話しましたが、尿が出なくなって48時間経つと、尿毒症で命を落とすこともあるので、疑わしい場合は、早めに病院に行かれることをおすすめします。

退院

先日お話ししていた、ショック状態だったコーギーのコが、入院治療にてなんとかショック状態から回復し、食欲が戻ってきたため、今日退院とさせて頂きました。



非常に重篤な状態でしたが、ここまで本当によく頑張ってくれました。



入院中は飼い主様から、毎日気を遣って差し入れをしてくださり、なんとか期待にお応えしたいと思っていたので、本当に嬉しく思います。



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病気自体が重いものですので、引き続き通院治療が必要ですが、少しでもおうちの慣れた環境で、飼い主様との大切な時間を、ストレスなく過ごしてもらえたらと思います。

実はそれほどでもない

今日は初診で、東京から引っ越しされてきた飼い主様が来院されました。



当ブログを開院前から読んでくださっておられ、ブログの内容や、自分が東京大学出身ということをすごく褒めてくださいました。



駒場キャンパスへの通学電車に井の頭線という電車の線があったことや、農学部は弥生キャンパスにあることなど、いろいろとご存知で、すごく懐かしく感じました。



その飼い主様は、今後も当院に通ってくださるようで、本当に有り難いと思いました。



それはそれとして、社交辞令だと思うのですが、よく東大出の獣医師ということをすごいことのように言われてしまいます。



ただ、実はそれほどでもないです。



なぜかというと、国公立の大学の獣医学科はどこも定員が少ないので、偏差値や倍率が高いのです。



北海道大学、酪農学園大学、岩手大学、岐阜大学、東京農工大学、大阪府立大学、鳥取大学、山口大学、宮崎大学、鹿児島大学。



東大以外では、この10大学に獣医学科があります。



定員は平均30人です。。。



逆に東大は獣医学科に入るためには、最初入るのは理科Ⅱ類と呼ばれるところで、定員は当時600人くらいでした。



なので、30位以内に入るのと、600位以内に入るの、どっちが気持ち的に楽かと言われると断然後者です。



なので、世間で思われているほど、東大だけがすごいわけではないのですね。



ただ、東大だと、「進振り」という非常にめんどくさい制度があり、入ってからの2年間の成績順で希望の進学先が決まるので、大学に入ってからも頑張ってテストでいい成績を取り続けないといけないのです。。。

猫の帝王切開について

昨日の午後の診察時間に、出産後1日経っても陰部から出血が続いているという猫ちゃんが来院されました。



お腹の中に赤ちゃんが残っていないか、レントゲン検査で確認すると。。。



猫妊娠後



1頭残ってしまっていました。



写真だとわかりづらいですが、赤ちゃんの体勢が悪く、出口のところでつっかえているような状態でした。



このまま出ない状態が続くと、赤ちゃんだけでなく、お母さんの方も命に関わる状況に陥るリスクがあるため、その日の夜に急いで帝王切開の手術を行わせて頂きました。



手術は無事終わり、お腹の中の赤ちゃんは残念ながら既に亡くなっていたのですが、母親は問題なく麻酔から覚めてくれました。



手術後1時間くらいで、赤ちゃん達にお乳をあげられるようになります。



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本来、開腹手術の後は、入院して頂いて、回復するまで治療をしていきたいところなのですが、帝王切開後は、出来るだけ早く赤ちゃん達に母乳を与えてもらい、ストレスのない慣れた環境で子育てしてもらう必要があるので、麻酔から覚醒し、状態が落ち着いたところでお返しさせていただきました。



お母さんは本当に大変です。

疲れた体に

またまた今日も、入院しているコーギーのコの飼い主様から差し入れを頂いてしまいました。



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手作りのおにぎりと卵焼きです。



今日は夜に別件で猫ちゃんの手術をさせていただいたのですが、さすがに少し疲れてしまいました。。。



そういった時にこんなご飯を食べると、とても癒されます。



本当にありがとうございましたm(_ _)m



明日からもまた頑張れそうです。

ショック状態

だったコーギーのコを、昨日からお預かりして集中治療させていただいているのですが、幸いなことに少し状態が持ち上がってきました。



原因となっている病気が重いものですので楽観視はできませんが、少しでも楽になるよう全力を尽くしたいと思います。



飼い主様も面会にお越し下さったのですが、夜も看ていた自分のことを気遣ってくださり、栄養ドリンクの差し入れをくださいました。



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これさえあれば、百人力です。



今夜も気を抜かず、慎重に看ていきたいと思います。

ショックについて

医学用語としての「ショック」の話です。



よく日常生活では、単にビックリした状態、急に衝撃を受けた状態など、精神的なストレスに対して「ショック」と言いますが、それとは異なります。



医学用語としての「ショック」とは、循環性ショックのことで、全身の血液循環が何らかの要因によって急に阻害されてしまうことで、様々な組織に必要な酸素や栄養素が行き渡らなくなり、生命の危機に瀕してしまう状態のことです。



原因は様々なものがあり、出血による血液の喪失によって起こるものを出血性ショック、心臓機能の悪化による血液循環の障害で起こるものを心原性ショック、全身の細菌感染、敗血症によるものを敗血症性(エンドトキシン)ショック、ワクチンアレルギーなどの急性アレルギーによるものをアナフィラキシーショックと呼びます。



いずれにせよ、ショックに陥った状態というのは、緊急を要する事態ですので、いち早く血液循環を回復させ、原因に対する治療を行う必要があります。



よく誤解を受けやすい用語の1つですので、覚えておいて頂けたら幸いです。

例外

今日は、フェレットを診させて頂きました。



といっても、フェレットの診察経験がそれほどあるわけではないので、最初そのことを伝え、他をあたっていただこうかと思っていたのですが。。。



飼い主様のご希望や諸事情などにより、例外的に診させて頂くことになりました。



診させて頂くにあたり、フェレットのことを勉強し直したのですが、いろいろと興味深いことが分かりました。



わんちゃん、ねこちゃんとはまた違った、新たな視点を獲得できたような感じです。

去勢手術のついでに

今日は、元々ノラ猫だったコを飼われる飼い主様が、去勢手術希望で来院されました。



ノラちゃんだったので、健康状態に気になる点もいくつかあったようでしたので、手術で麻酔をかけた時に、気になるところをすべて検査させて頂きました。



ウイルス検査、歯石取り、レントゲン検査、便検査、耳検査etc…



普段触らせてくれないコなどは、このような機会に出来る限りやってあげると、心配が取り除けていいですね。

エアコンいらず

今日は、かかりつけの病院が休みということで、和気郡からお越しの飼い主様がいらっしゃいました。



わんちゃんの具合が悪いとのことで、もしかしたら熱中症かもと思い、



「エアコンの効いたお部屋で過ごされてましたか?」



とお聞きしたところ、



「高い山あいに住んでいるので、気温は日中でも28℃いかないくらいです。」



というお答えが返ってきました。



和気郡は実家から隣町のところにあるのですが、そんな涼しい場所があるなんて意外でした。



そこに住まわれている限り、熱中症とは無縁ですね。



余談ですが、「白い巨塔」の主人公、財前五郎の出身地が和気と知ってびっくりしました。

猫の発情期について

たまにノラちゃんの避妊手術をさせていただいているのですが、この時期は妊娠してしまっているコが多いです。



それもそのはずで、猫ちゃんは季節繁殖動物と呼ばれ、外の自然環境下では、発情期は2−4月の間と、6−8月の間にピークがあります。



ここで、「外の自然環境下」 と書いたのは理由があり、室内で飼われている猫ちゃんは季節繁殖は明確ではなくなります。



2−3週間の間隔で発情を2−3回繰り返し、これが1−2ヶ月間隔で繰り返されます。



なぜ外と内にいる猫ちゃんでこんな違いが出るのでしょうか?



理由の1つとして、光の当たる時間で発情時期が決まると言われています。



1日の日照時間が13時間程度になると、その45日後に発情が誘発されると言われます。



光と発情が連動する理由は、光をとらえる網膜、メラトニンと呼ばれるホルモン、脳の視床下部などが複雑に作用し合っているからです。



光は太陽光でも人工灯でも同等で、数週間、日照時間を約9時間に制限した後、人為的に14時間にまで延長すると、たとえ時期が冬でも発情が訪れるようです。



光の当たる時間の違いで発情時期が変わるなんて、不思議なメカニズムですね。

頂き物3

先日、治療の甲斐なく、入院中に亡くなってしまった猫ちゃんの飼い主様より、差し入れを頂いてしまいました。



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不甲斐ない結果にも関わらず、自分の体調も気遣うお言葉も下さり、有り難くて涙が出そうになりました。



少しでも多くの命が救えるよう、これからも精進したいと思います。

犬の皮下陰睾について

今日はトイプードルのコの皮下隠睾の手術をさせて頂きました。



術前の様子。



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片方の睾丸しか降りていません。



降りていない方の睾丸は、写真だと分かりづらいですが、今回は左のソケイ部に明らかに触れるものがありましたので、皮膚を切開するだけで済みました。



術後の写真。



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計2カ所の傷口になります。



摘出した精巣。



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小さい方がソケイ部にあったものです。



陰睾は放っておくと、高齢になったときにガン化しやすいので、、若い時に手術をしてあげたほうがいいですね。



そして、ついでに歯石取りもさせていただきました。



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これだけキレイになりました。



今回はお腹を開かずに済みましたので、日帰りでお返しすることができました。



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飼い主様に抱かれて一安心の様子です。



お疲れ様でした。

猫の尿道閉塞について

今日は時間外で、昨日の昼からおしっこが出ず、今朝から吐いてぐったりしているという雄猫ちゃんを診させて頂きました。



触診にて、膀胱がパンパンに腫れているのが確認できました。



雄の猫ちゃんは尿道の出口が狭いため、結石や炎症産物で尿道が詰まってしまうことが多いです。



もし詰まってしまったら、出来るだけ早く詰まりを解除してあげないと、急性腎不全、尿毒症、膀胱破裂などを引き起こし、命を落としてしまいます。



今回のコも急いでカテーテルにて尿道の閉塞を解除し、膀胱、尿道を洗浄を行うことで、命の危機を脱することができました。


カテーテルを通して、膀胱に溜まっていた尿を抜去しているところ。



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膀胱炎もキツく、血尿が出ています。



回収した尿の沈渣を顕微鏡で見ると、結石の結晶が確認できました。



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状態が落ち着いたら、結石を溶かす処方食を開始していく必要があります。



このように、おしっこが出ないというのは救急疾患の可能性が高いので、出来るだけ早く病院に連れていってあげてくださいね。



当院はお盆も休みなく通常営業ですので、急な病気でお困りの際などもご利用いただけたらと思います。

頂き物2

今日は、シーズーのチーちゃんの飼い主様よりお菓子を頂きました。



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京都のマールブランシュというところの、かえで蜜パイとごまカラメルパイです。



うちの子どものためにわざわざ買ってきてくださったようです。



本当にありがとうございますm(_ _)m



子どもと一緒に美味しく頂きたいと思います。

頂き物

先日、ぱぐこ様よりバームクーヘンを頂いてしまいました。



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滋賀の銘菓、クラブハリエのバームクーヘンです。



滋賀にいた頃を思い出す、昔懐かしの味でした。



リーフパイに引き続き、本当にありがとうございました。



そして今日は、入院している猫ちゃんの飼い主さんから、お菓子とスープの差し入れを頂いてしまいました。



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写真真ん中にある「母恵夢」は僕が子どもの頃からある、瀬戸内銘菓です。



久々に食べましたが、変わらぬ味でとてもおいしかったです。



本当にありがとうございました。



猫ちゃんは厳しい状態が続いていますが、少しでも飼い主さんの期待に応えたいと思います。

犬の椎間板ヘルニアについて

昨日、他院にて椎間板ヘルニアと診断されたミニチュアダックスのコが、セカンドオピニオンで来院されました。



椎間板は背骨の関節にあるクッションのような役割をしている軟骨で、これが急に外に飛び出して脊髄神経を圧迫してしまう病気を「椎間板ヘルニア」といいます。



こんな感じで飛び出します。



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症状は急に起きます。



「昨日までは何ともなかったのに、今朝見たら歩けなくなっていた。」というような症状です。



治療は、症状が軽ければ内科治療で治りますが、重ければ外科手術が必要になります。



症状の軽い、重いを客観的に判断するために、5段階のグレード分類というものがあります。



簡単に書くとこんな感じです。



グレード1 腰の痛みのみで、歩くことができる。

グレード2 片足のみの軽度ふらつき。歩ける。

グレード3 片足または両足の重度ふらつき。歩けないがなんとか足を動かせる。

グレード4 両足の麻痺。足が動かない状態で歩けない。つねると痛みに反応する。(深部痛覚あり)

グレード5 両足の麻痺。歩けない。痛みに反応なし。(深部痛覚なし)



症状がグレード3以下であれば内科治療、グレード3以上であれば外科手術を選択することが多いです。



そして、とても恐ろしいことに、グレード4以上の症状の場合は、統計的に約5%の確率で「脊髄軟化症」になってしまいます。



脊髄軟化症とは、神経が圧迫された時に起きる炎症が、徐々に脊髄全体に広がり、前足の麻痺、発熱などが起こり、やがては脳にまで炎症が波及し、呼吸中枢まで侵され、命を落としてしまう、非常に怖い病気です。



脊髄軟化症に対しては、現在のところ有効な治療法はありません。



ただ、脊髄軟化症にならなければ、椎間板ヘルニアは早期の治療で治癒率はとても高い病気です。



腰の痛み、後ろ足のふらつきなど、おかしな症状があれば、速やかに病院に受診して頂きたいと思います。

台風が

近づいており、不安定な天気にもかかわらず、今日はたくさんの飼い主様がお越しくださいました。



 台風11号



いや逆に、不安定だからこそ、ペットたちの体調も崩れやすいのかもしれません。



今日はまた別の重症の猫ちゃんをお預かりし、入院治療させて頂くことになりました。



もし何か体調がおかしいなと思ったら、早めに病院にご相談くださいね。

猫の血栓塞栓症について

今日は、「今朝急に発作を起こして倒れた」という猫ちゃんが来院されました。



診させて頂くと、後肢が冷たく、麻痺しており、股動脈が触知できない状態でした。



症状と触診により、血栓塞栓症を強く疑いました。



血栓塞栓症とは、文字通り、血管内に出来た血栓が、血管を塞いでしまい、その先の血管に血液が流れなくなってしまう状態です。



ヒトで「エコノミー症候群」と呼ばれるものと同じ状態です。



ただ、「エコノミー症候群」では、血栓ができるのは、長時間座りっぱなしで動かないことが原因ですが、猫の場合は別に原因があります。



その原因のほとんどが、心筋症によるものです。



心筋症とは、心臓の筋肉が肥大、あるいは薄く拡張してしまうことによって、心臓の働きが弱くなってしまう心臓病です。



心臓の働きが弱くなると、血液の流れが悪くなり、血栓ができてしまいやすくなります。



そうして出来た血栓は動脈を流れていくうちに、細い血管を閉塞してしまいます。



解剖的につまりやすい所があり、特に後肢へ向かう動脈の分岐部がとてもつまりやすいです。



そして、血管が詰まる時、激しい痛みを伴います。



今回の猫ちゃんも、血管が詰まった際、激しい痛みで、発作のような状態になってしまったと思われます。



治療は、血栓溶解剤や鎮痛剤などで、血栓を出来る限り取り除き、痛みを抑えることを目的にします。



ただ、原因となっている心臓を治す治療がなく、血栓塞栓症を起こしてしまうような状態の心臓の場合、予後は非常に厳しいと言われています。



現在入院治療中ですが、少しでも薬が効いて良くなって欲しいと願っています。

深夜の急変

昨日の夜は、夜中の3時に電話があり、時間外診療をさせていただきました。



他の病院で心臓の治療をされていたわんちゃんが、発作で倒れたとのことで来院されました。



来院時には、意識レベルは回復しておりましたが、呼吸が荒く、チアノーゼを起こしている状態でした。



レントゲンを撮ると、重度の心肥大と肺水腫が確認できました。



幸い、ニトログリセリンと利尿剤の治療で、徐々にチアノーゼが改善していきました。



少し落ち着いたところで、飼い主さんに酸素室での入院治療を勧めましたが、病院で亡くなるリスクがあることを伝えると、ご自宅で看ていきたいというご意見でしたので、連れて帰られました。



そして今日、飼い主さんから電話があり、おしっこをたくさんして、状態は落ち着いているとのご連絡を頂きました。



深夜のペットの急変、飼い主さんは非常に不安で、心苦しい状態だったと思います。



少しでもそういった不安を取り除けるように、お力になれたらと思っています。

8月の診療

当院はお盆も休みなく、通常通り診療させて頂きます。



しかし、休みなく働いていると、自分はいいのですが、家事育児はほとんどできないですね。。。



少しでも解消すべく、今日の午後の休診時間に、子どもと散歩をしたり、外食をしたりと、久々に家族水入らずな時間を過ごしました。



仕事と家庭の両立。。。永遠の課題です(笑)

コクシジウムについて

最近は仔猫を診させてもらう機会が多く、便検査でコクシジウムが引っかかるコもいます。



コクシジウムとは、原虫と呼ばれる寄生虫の一種で、消化管内に寄生し、下痢の症状を引き起こします。



かかっているコは便にたくさんの卵が排出されますので、顕微鏡による便検査ですぐに分かります。



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こんな感じの卵です。



治療はサルファ剤と呼ばれる薬を使うのですが、治療効果は個々の免疫状態や、そのときの症状の度合いにより異なり、そのため薬用量・期間の報告も教科書により様々です。



経験的には駆虫には2-3週間を要することが多いです。



この虫卵は、厄介なことに、ほとんどの消毒薬に耐性を持つのですが、幸い、便が出てすぐの虫卵には感染力がないので、排泄された便は他のペットが触る前に速やかに処分して、清潔な環境を保ってあげましょう。



あとは煮沸消毒は有効ですので、使った容器などは熱湯で消毒してあげましょう。

今日もスケーリング

昨日に引き続き、今日もまた歯石取りをさせていただきました。



今回は7歳のパピヨンのコでした。



こんな感じだった歯が。。。



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ここまでキレイになりました。



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歯石取りは、とても効果の分かりやすい治療ですので、やる方としてはとてもやりがいがあります。



ただ、その後の歯磨きなどのケアを怠ると、すぐにまた歯石が付いてしまいますので、やはり日々のケアがとても重要ですね。

犬の去勢手術と歯石取り

今日は、M.ダックスのコの去勢手術と歯石取りをさせていただきました。



今回の傷口はこんな感じです。



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そして歯の方も。。。



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こんな感じにキレイになりました。



飼い主さんに抱かれてホッと一安心の様子です。



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そういえば、犬の去勢手術は今のところトイプードルとM.ダックスのコしかしてないですね。



それだけ多くの人に愛されている人気の犬種ということですね。

1日に必要なカロリー量

皆さんは、わんちゃんの1日に必要なカロリー量をご存知でしょうか?



フードの袋には、体重ごとに与えるフードのグラム数とカロリーが書かれているので、だいたい把握されているかもしれませんが、これを求める計算式があります。



1日あたりのエネルギー要求量をdaily energy requirement:DERと呼ぶのですが、それは、
「RER×活動係数」で計算します。



RERとは、安静時エネルギー要求量(resting energy requirement)のことです。



計算式は



RER=70×(体重kg)0.75乗



になります。



0.75乗は普通の電卓があれば、簡単に求めることができます。



「体重×体重×体重÷√÷√」と押せば良いのです。



例えば5kgのわんちゃんだと「5×5×5÷√÷√」で、3.3437・・・という数字が出るので、それに70を掛けると約234kcalになります。



これがRERなので、そこに活動係数を掛けると一日に必要なカロリー量が計算出来ます。



活動係数はだいたい以下の表を目安にします。



去勢、避妊していない成犬  RER×1.8
去勢、避妊している成犬   RER×1.6
肥満傾向          RER×1.4
減量、重篤、安静時     RER×1.0



なので、5kgのわんちゃんの場合は



去勢、避妊していない成犬  421kcal
去勢、避妊している成犬   374kcal
肥満傾向          327kcal
減量、重篤、安静時     234kcal



ということになります。



一般的なドッグフードで1gあたり、3-4kcalありますので、去勢、避妊をすると、一日あたり15gくらい量を減らさないと太ってしまう計算になりますね。



ちょっとややこしい説明だったかもしれませんが、体重で必要なカロリーを計算できるというお話でした。



ちなみに、昨日、多飲多尿のお話をしましたが、一日に必要な水分量もRERの結果をmlに変えた量です。



5kgのわんちゃんは234mlが平均的な1日の水分の必要量になります。



一度覚えてしまえば、輸液や、経腸栄養などの栄養管理するときなどにも使える便利な(?)計算式なのです。