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あおえ動物病院

2014年3月28日に、岡山県岡山市北区青江に新規開院した動物病院のブログです。

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RSKイブニングニュース

すでにお気づきのかたがいらっしゃると思いますが、昨日のRSKイブニングニュースで「犬の熱中症」についての特集があり、そこでコメントさせていただきました。



事前に告知しなかったのは。。。前日に取材依頼の電話があり、当日の朝に取材だったので、告知する時間がなかったからですね。



あとは、徹夜明けで緊張しまくりのダメポ状態でしたので、本当に使われるのかなという不安もありました(笑)



実際の映像を見ると、編集の力のおかげか、思ったよりまともに見られました。



端から見る自分の姿が新鮮に感じられました。



キャプチャ3



友情出演(?)のチャーくん。



イブニングニュース



ご協力頂きありがとうございました。



そして、このような機会を与えてくださった、山陽放送様に感謝します。



もし次の機会が与えられるなら、絶対にリベンジしたいですね。



それはさておき、今回の放送で、少しでも飼い主様の意識が高まり、わんちゃんの熱中症が減ってくれると嬉しいです。
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誕生日

ついにブログの更新が途絶えてしまいました。



一応自分ルールとして「毎日ブログ更新」を掲げて頑張っていたのですが、最近は夜12時前ぎりぎりにアップすることが日課になっていました。



昨日もそろそろブログ書き始めようかと思っていた矢先に、時間外の電話が鳴り。。。



診察させて頂いた結果、肺水腫のわんちゃんで、クリティカルケアのため入院治療となり。。。



心配して看ているうちに次の日の朝になっておりました。



こんな感じでブログを書いておりますので、今後ももしまたブログの更新が空くことがあったら、治療が大変なわんちゃん、ねこちゃんが入院しているのだな、暖かい目で見守って頂ければ幸いです。



もちろんこれからも、余程の例外がない限りは自分ルールを継続していきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。



さて、前置きが長くなってしまいましたが、今日は「飼い主様の声」に掲載頂いたマロンちゃんの誕生日でした。



最初にお越し頂いた時の状態は、今年の誕生日は迎えることができないかもしれない。。。と思っていたので、今の元気な状態を見ると本当に嬉しく思います。



ツーショットの写真撮影をさせていただいたのですが、ブログ用に自分のiPadで写真を撮るのを忘れてしまいましたorz



寝不足だとボケてしまってますね。。。



そして、飼い主様より、マロンちゃんの誕生日にもかかわらず、ケーキを頂いてしまいました。



IMG_1127.jpg



今日は別件で個人的にかなり恥ずかしい出来事があり、ちょっとへこんでいたのですが、このケーキを頂いて、活力が出ました。



本当にありがとうございますm(_ _)m





追記



ブログを読んでくださったマロンちゃんの飼い主様より、写真を送って頂きました!


写真-5


気を利かせてくださって本当にありがとうございますm(_ _)m

1ヶ月

ペットホテルでお預かりしていたコがいたのですが、今日無事にお返しさせて頂きました。



長期間に渡るお預かりでしたので、ストレスなどで体調崩したりしないか、毎日心配で見ておりましたが、すぐに環境に慣れてくれたようで、この1ヶ月間、何事もなく元気に過ごしてくれました。



人懐っこいコで、かまってあげるとすごくしっぽをふって喜んでくれており、お返しした時は、無事返せてほっとした気持ちと、ずっといたコがいなくなって寂しい気持ちとが入り交じり、複雑な心境でした。



ただ、飼い主さんと対面したとき、すごくはしゃいで喜んでいましたので、やはりお返しできて良かったなと思いました。



これからの季節、お盆の帰省や旅行などでどうしてもペットを連れていけない機会が出てくるかもしれません。



そんなときはお気軽にペットホテルをご利用頂ければと思います。

釣り針に要注意

今日は時間外で釣り針がささってしまったわんちゃんが来院されました。



1つのルアーに3つの釣り針がついていて、口に1カ所と、おそらくそれを取ろうとして、前足の肉球にも1カ所刺さっており、非常に痛々しい状態でした。



釣り針はこんな感じのものです。



mg58505033.jpg



ご存知の通り、釣り針は返しがついているので、普通に引っ張るだけでは抜けません。



抜く時にどうしても痛みを伴うので、麻酔をかけて無事抜かせて頂きました。



今回は体表のことなので大事には至りませんでしたが、中には釣り針を飲み込んでしまうコもいます。



釣り好きの方は特に気をつけてあげてくださいね。

夜の手術再び

先ほど手術をさせていただきました。



今日は昼にノラちゃんの去勢と避妊手術をする予定でいたのですが、去勢しようと思っていたコが実は女のコでした。



ノラちゃんはなかなか性別を確認するのが難しいので、思っていた性別と違ったということがたまにあります。



ただ、去勢の手術器具だけでは避妊手術はできないので、器具を準備しなおして、滅菌して、、、となると、昼休みには終わりそうになかったので、夜にすることにしました。



岡山動物愛護会の方が連れてきてくださったノラちゃんたちなのですが、「予定変更になったので夜に手術します」と連絡差し上げると、気を遣ってくださったのか、果物の差し入れをくださいました。



IMG_1107.jpg



本当にありがとうございますm(_ _)m

猛暑

今日は特に蒸し暑かったですね。



岡山市では最高気温36℃だったようです。



 気温



これだけ暑いとわんちゃん、ねこちゃんも体調を崩しやすいです。



当院でも、室内飼いにも関わらず、元気がなくなり、食欲不振の症状で、体温を測ると、熱があるという、熱中症を疑うわんちゃん、ねこちゃんの来院が最近増えております。



お話を聞いていると、エアコンの風が当たるのを嫌がり、エアコンの効いていない暑い部屋に逃げてしまうコが多いようです。



そういったコには、直接エアコンの風を当てないように、風を上向きにするなどの工夫をしてあげる必要がありますね。



あと、扇風機だけつけていると言われる方もいらっしゃるのですが、わんちゃん、ねこちゃんは汗をほとんどかかないので、風を当てるだけでは熱を下げることができません。



やはり、ベストなのはエアコンで室内全体の温度を下げてあげることです。



天気予報によると、明日も今日と同様の猛暑になるらしいので、飼い主様自身はもちろん、わんちゃん、ねこちゃんにもしっかりと熱中症対策をしてあげてくださいね。

今日で

1週間の実習生の実習が終わりました。



基本暇でしたので、あまり勉強にはならなかったかも、、、と思いますが、いくつか手術もさせていただき、一通りの動物病院の仕事はお見せできたかなと思います。



動物看護師になるために、これからもいろいろな勉強、経験を積んでいかれると思いますが、今回の実習がモチベーションアップに繋がってもらえたら幸いです。



明日からは、病院の人口密度が減って少し寂しくなりますが、通常営業で頑張りたいと思います。

時間外診療

先日、深夜の1時に時間外のわんちゃんの診療をさせていただきました。



食後、咳が止まらなくなって、いくつか病院に電話したけれど、当院以外はどこも繋がらなかったとおっしゃられておりました。



来院時に少し咳は落ち着いており、念のためレントゲンを撮らせてもらうと、気管虚脱があり、数日前にも同様の状態になったとおっしゃられていたので、それに起因する咳を疑いました。



治療させて頂き、次の日には元気な状態になったとおっしゃって頂き、本当に良かったと思います。



24時間365日、いざというときに頼りになる動物病院を目指しています。

手のかかるコほど愛おしい

現在入院治療しているネコちゃんがいるのですが、飼い主さんからそのネコちゃんのことについていろいろ話しをお聞きしています。



「他の同居ネコたちに構ってほしくてちょっかいばかり出していたので、他のネコたちから嫌われている。」

「普段は元気いっぱいで全然かごやケージに入ってくれない。」

「いつも所構わずおしっこしてしまう。」など。。。



すごくやんちゃ坊主のようで、飼い主さんも手を焼いていたようです。



ただ、そういったコほど、急に元気がなくなると、とても心配になるものです。



このコも、飼い主さんが出張から帰ってきたら、急にぐったりしていたということで、わざわざ時間外に来院されました。



少しでも早く「手のかかる」ほど元気な状態に戻してあげたいと思います。

犬の避妊手術について3

先日、4歳のミニチュアシュナウザーのコの避妊手術をさせて頂きました。



飼い主さんはずっと避妊手術をするかどうか悩まれていたようですが、将来的な病気の予防を考えられ、手術を決断されたようです。



歯石も付いていましたので、この機会に歯石取りもさせていただきました。



4歳はまだまだ若い年齢ですので、卵巣、子宮の弾力性があり、手術の傷口も最小限で行うことができます。



術後の写真。



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18mmくらいの大きさで済みました。



これが、子宮蓄膿症になってからの手術になると、傷の大きさも倍以上になり、リスクも高まりますので、早めの避妊手術をおすすめします。



歯石の写真。



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ワンちゃんはヒトと比べて、非常に歯石がつきやすいので、4歳でこれぐらいの歯石がついていても不思議ではありません。



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キレイになりました。



一泊入院後、元気に飼い主さんの元へ帰っていきました。



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お疲れ様でした。

わんぱーくさん主催の譲渡会

今日の午後に、当院で2回目となる、わんぱーくさん主催の譲渡会が開かれました。



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中の様子。



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前回同様、たくさんの方々にお越し頂き、途中、スコールのような雷雨に見舞われましたが、最終的に4匹のわんちゃんの引き取り手が決まったとのことです。



本当に喜ばしいことです。



これからも継続的にお力になれたらいいなと思います。

猫の腹腔内隠睾(潜在精巣)について

病院にお越しの方は既にご存知だと思いますが、昨日から教育実習で、動物看護師の学生さんが来ております。



実はこの方、いつもブログでコメントくださっているポッケ&さくらママ様の娘さんです。



基本暇な病院なので、あまり学ぶこともなく申し訳ないことになってしまうかも。。。と思っていたのですが、タイミングよく(?)猫ちゃんの去勢手術が入っていて、少しは動物病院らしいところを見てもらえるかなと思っておりました。



すると、その猫ちゃん、実は片方しか玉が袋の中になく、隠睾(インコウ)でした。



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隠睾は小型犬は結構多いのですが、猫ちゃんはあまり見ることがありません。



隠睾は玉が皮下にある場合と、腹腔内にある場合と、2通りのパターンがあります。



ある程度の大きさで皮下にある場合は、触診で場所がわかるので、そこを切ればよいということになります。



ただ、隠睾の場合は、玉が発育不良のことが多く、皮下にあっても脂肪に隠れて触れないこともあります。



触ってもわからない場合は、実際に切って確かめていくしかありません。



今回の猫ちゃんも、結局は腹腔内にあったのですが、皮下の可能性も否定できなかったので、傷口は玉の袋と、鼠径部と、腹部と、計3カ所になってしまいました。



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取った精巣の写真。



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小さい方(⬅)が腹腔内に隠れていた精巣です。



ただ、隠睾は残しておくと、正常の場所に比べ、10倍ガンになりやすいと言われているので、早めに取ってあげたほうがいいですね。



実習生の方にも、ちょっと見応えのある手術をお見せすることができてよかったかなと思います。



実は今回の猫ちゃんはきなこ様が飼い主様でした。



なので恒例の記念撮影をしております。



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そして、ドーナツの差し入れまで頂いてしまいました。



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本当にありがとうございましたm(_ _)m

残念ながら

昨日預かって入院治療していたノラ(りん)ちゃんですが、朝の3時半頃、治療の甲斐なく息を引きとりました。



治療の可能性に賭けて任せてくださった飼い主様には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。



ただ、飼い主様は夕方お迎えに来られたのですが、「最期、先生に看てもらってよかった」とおっしゃって頂き、差し入れまで頂いてしまいました。



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獣医師として無力さを痛感し、心折れそうな時、いつもこうした飼い主様の声に助けられています。

再び

ノラちゃんを預かって入院治療させていただいております。



今回は岡山動物愛護会の方が保護されたノラちゃんで、午後一番に診させて頂いたのですが、来院時に既にクリティカルな状態でした。



現在も厳しい状態が続いていますが、ネコちゃんは頑張ってくれています。



なんとか乗り切ってくれるよう、全力を尽くしたいと思います。

コンベニアについて

「ノラ猫の避妊手術した後、薬飲ませられない時はどうしたらいいでしょうか?」



いくつか解決策はありますが、今回は注射薬の話です。



動物用の抗生剤で、皮下に注射を打てば2週間効いてくれる「コンベニア」という薬があります。



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「セフェム系」に分類される抗生剤ですので、一般的には、皮膚の膿皮症によく使われ、口内炎や膀胱炎、術後の感染予防などにも使われる薬です。



副作用もほとんどなく、一度打てば2週間持つので、飲み薬を飲ませる手間を省け、飼い主さんにとってはとても嬉しい薬です。



値段が高いことを除けば。



同じような成分の飲み薬を2週間続けるのと、注射一回分を比較すると、10倍以上注射のほうが高いですね。。。



なので、どうしても飲み薬が飲ませられないわんちゃんねこちゃんや、ノラ猫ちゃんの避妊去勢後、薬をご飯に混ぜて与えることができないコとかに限り、やむを得ず使用する形になるのかなと思います。



ただ、そういった治療の選択肢が増えることに関しては、とてもいいことだと思いますので、興味を持たれた方は一度病院にご相談頂けたらと思います。

岡輝みんなの地域ねこ活動

今日は「岡輝みんなの地域ねこ活動」をされている飼い主さんがいらっしゃいました。



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「岡輝みんなの地域ねこ活動」さんは、有志の方が集まって、「岡輝公民館」を中心に、地域のノラ猫たちを適正に管理するための活動をされておられるようです。



具体的には



・定時・定点でごはんを与え、後片付けをする

・トイレを設置する等、うんちとおしっこの片付けをする

・避妊・去勢手術をして、子どもを産まないようにする




などの活動です。



facebookにも記事として活動内容が詳しく書かれており、大変勉強になります。
https://www.facebook.com/minchikatsu



「わんぱーく」さんや「岡山動物愛護会」さんもそうですが、自分のペット以外のコたちのために、ここまで活動される方はなかなかいらっしゃらないので、本当に頭の下がる思いです。



当院でも治療や避妊去勢などで、間接的にではありますが、お力になれればと思います。

ペットボテルにて

思いがけず、お菓子を頂いてしまいました。



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関東から引っ越しで来られた飼い主さんで、引っ越しの準備のため、2匹のネコちゃんを半日ペットホテルでお預かりさせて頂きました。



朝7時にお預かりさせて頂いたので、気を遣っていただいたのだと思いますが、初めて来られた飼い主さんに頂き物をもらったことが、これまでの人生でなかったので、非常に驚いたというか、恐縮してしまいました。



長旅でお疲れにもかかわらず気を遣って頂いて、本当にありがとうございます。



新居での準備など大変だと思いますが、今日はネコちゃん達とゆっくり休んでいただきたいと思います。

油断すると・・・

先日、よくお越しになられている飼い主さんから、「最近先生痩せられましたね。」というお言葉を頂きました。



あまり自分の体重に関心がなかったのですが、その言葉を聞き、ふと、風呂上がりに体重計に乗ってみたのですが、ちょっと驚きました。



勤務医時代に健康診断した時は、身長178cmで、体重は58kgくらいだったのですが。。。



53kgになっていました。



ダイエット成功です(笑)



元々少食なのと、入院してたコたちの治療などで、寝食を忘れていたのが原因だと思われます。



さすがにちょっと落としすぎたので、最近は意識して昼食多めに取るようにしています。



現在は54.5kgまで戻ってきました。



わんちゃん、ねこちゃんもそうですが、痩せすぎていると、いざ病気になってしまったときに治るためのエネルギーが少ないので、適度な体重維持を心がけたいですね。

犬の心臓病について3

昨日の続きです。



昨日は治療薬として、血管拡張薬であるACE阻害薬を最初に使う話をしました。



今日は次の段階の薬として、強心薬利尿剤の話をします。



強心薬とは、文字通り、心臓の動きを頑張らせる薬です。



初期の治療では、心臓になるべく頑張らせないようにして、心肥大を防ぐことが目標でしたが、心不全が悪化してくると、心肥大によって代償的に強くなっていたポンプ機能も限界がきて、最終的にどんどん弱ってくるので、血液の循環が滞るようになってしまいます。



そうなると、今度は、例えば100の血液を送る力のあった心臓が90に下がってしまうと、残りの10の血液が身体中にたまってしまうことになります。



身体中に溜まった血液は、むくみ、息苦しさや疲れといった悪さをするようになり、肺水腫を助長することになります。



なので、そこまで悪くなってしまった心臓には、強心薬で心臓のポンプ機能を補ってやる必要があるわけです。



強心薬は、以前は副作用の強い「ジキタリス製剤」と呼ばれる薬しかありませんでしたが、5年くらい前から、動物用に副作用の少ない、ピモペンダンと呼ばれる薬が出てきました。



さらにピモペンダンには血管拡張作用もあるので、ダブルの効果で心不全の悪化を抑えることができます。



そして、逆に「肺水腫」になってしまうほどの心不全では、間違いなく心臓のポンプ機能が落ちてしまっているので、ACE阻害薬だけでは、心機能を維持できない状態なのです。



なので、一番最初に書いたように、「一度でも肺水腫になってしまったコには、ピモペンダンを使ってください」という結論に至るわけです。



利尿剤の話はまた今度ですね。。。

犬の心臓病について2

前回の続きです。



前回は、犬に多い心臓病の1つである「僧帽弁閉鎖不全症」が進行すると、肺水腫になる理由を書きました。



今回は治療についてです。



普通に考えれば、僧帽弁がダメになっているので、弁を直せばいいということになります。



弁を直すには、弁形成や、人工弁置換など、外科手術ということになります。



ただ、獣医療では、手術を行っている施設が圧倒的に少ないのと、治療費が高額になるなどの事情で、今の所、内科治療がスタンダードな治療法になります。



内科治療は、投薬によって心臓病の悪化を遅らせ、肺水腫になるのを食い止める治療です。



当然のことですが、薬で弁を治すことはできません。



薬で抑えるのは、弁がダメになることによって起きる、心臓の二次的な変化です。



前回の話で、



①僧帽弁がダメになる

②肺への血液の逆流量が増え、全身に送る量が減る

③全身へ送る量を戻そうと心臓が頑張る

④心肥大が起き、ポンプの力が強くなるので、さらに逆流量が増える

②に戻る




という悪循環を繰り返す話をしました。



それを薬を使って、この悪循環を断ち切ることが、内科治療になります。



具体的には、初期の僧帽弁閉鎖不全症の治療は、心肥大にならないように、心臓に頑張らせないようにすることが目標です。



そのために、一番最初に使う薬は「ACE阻害薬」になります。



ACE阻害薬は、簡単に言えば、血管拡張薬になります。



血管を広げ、全体の血圧が下がると、より少ない力で全身へ血液を送ることができるようになるため、心臓がそれほど頑張らなくても済みます。



なので、心臓の悪化を遅らせることができます。



この時に、補助的に「硝酸薬」という別の血管拡張薬や、心拍数を抑えるために「β遮断薬」を併用したりすることもあります。



ただ、あくまで遅らせるだけなので、最終的には、心肥大による咳の悪化、やがては肺水腫を起こしてしまいます。



ACE阻害薬で抑えられなくなってくると、より強い薬が必要になってきます。



その時に使うのが、「強心薬」「利尿剤」になります。



また長くなってしまったので続きます。。。

犬の去勢手術と乳歯遺残2

前回に続き、今日もトイプードルの去勢手術と乳歯の抜歯を行わせて頂きました。



やっていることは前回とほぼ同じなのですが、今回は8ヶ月齢のコでしたので、歯自体は非常にキレイでした。



手術後の写真。



IMG_1042.jpg



陰嚢の少し上の皮膚を切開しています。



なぜそこを切っているのか?の答えは前回の記事に書いてあります。



乳歯の抜歯もこんな感じで。。。



IMG_1037.jpg



IMG_1038.jpg



キレイに取りました。



トイプードルは、乳歯残ってしまうコ多いですね。



抜いた乳歯はこちらです。



IMG_1045.jpg



長さの半分以上が根元に埋まっていました。



特に犬歯の乳歯は根元が深いので、抜歯には全身麻酔が必要になります。



なので、去勢、避妊手術のついでに抜歯してしまうのがいいですね。



麻酔の覚醒も問題なく、元気に帰っていきました。



IMG_1050.jpg



元気いっぱいに動き回っておりましたので、写真がうまく撮れず、飼い主さんに押さえてもらっての撮影です。



傷口を舐めないようにエリザベスカラーを付けています。

犬の心臓病について1

「一度でも肺水腫を起こしたコにはピモペンダンを使ってあげてください。」



先日、時間外で肺水腫のシーズーのコを診させて頂きました。



その時、飼い主さんから、飲ませている薬の種類をお聞きしたのですが、その時に思ったことです。



肺水腫とは、文字通り肺に水が溜まってしまう病気で、呼吸をしても、空気を取り込めなくなってしまうため、呼吸困難に陥り、命を落としてしまうという、とても恐ろしい病気です。



原因となる病気はいくつかありますが、今回は心原性の肺水腫の話です。



心原性の肺水腫とは、心臓が悪くなってしまったために、肺水腫になってしまうことです。



それでは、なぜ心臓が悪くなると、肺水腫になってしまうのか?



そもそも心臓が悪いとはどのような状態なのか?



心臓は、簡単に言うと、血液を全身に送るポンプの役割をしています。



そして、全身から戻ってきた血液を肺に送って、血液に酸素を補充します。



そして、酸素が補充された血液を、また全身に送ります。



・・・心臓➡「全身➡心臓➡肺➡心臓➡」全身・・・



「 」内が1サイクルで、ずっとこの流れの繰り返しです。



全身から心臓に戻ってきた血液は必ず肺に行き、肺から心臓に戻ってきた血液は、必ず全身に行く、一方通行の流れです。



これが、全身⬅心臓、肺⬅心臓、という反対の流れにならないよう、心臓には逆流防止の弁があります。



ところが、犬は高齢になってくると、加齢性の変化により、心臓の弁が痛んできます。



特に犬では、肺➡心臓の逆流を防止する弁が痛みやすいです。



この弁のことを「僧帽弁(ソウボウベン)」と言い、ここが痛んで、血液が逆流してしまっている病気を「僧帽弁閉鎖不全症」と言います。



弁の痛みが少しの場合、逆流する血液の量も少しですので、臨床症状を示すことはありません。



ただ、心臓は全身へ送る血液量を常に一定にしようとする働きがあります。



例えば、今まで心臓➡全身への血液量が100あったものが、逆流してしまい、肺に10戻ってしまうと、残りの90しか全身に送られなくなります。



すると、心臓は90を100に戻そうと、心拍数を上げたり、一回の量を多くしようとします。



そういった、無理な頑張りが続くと、心臓の筋肉が肥大化し、心臓全体が肥大化してしまいます。



心臓が肥大すると、心臓の真上に走っている気管、気管支を圧迫するようになるので、が出るようになります。



そして、無理な頑張りにより、全身へ送る血液量が多くなると、相対的に逆流量も多くなります。



全身への血液量が90➡100になれば、相対的に逆流量も10➡11に増えます。



そして、血液量、血圧の上昇により、弁にどんどんダメージが増え、その結果、さらに逆流量が増え、全身への血液量が下がる、心臓が全身への血液量を戻そうとさらに頑張る、という悪循環に陥ります。



そして、逆流量が一定の域を超えると、肺に溜まってしまった血液から水が漏れ出るようになります。



この状態を「肺水腫」と言います。



長くなってしまったので、明日へ続きます。。。

わんぱーくさんの譲渡会

がまたまた当院で開催されることになりました。



7月20日(日)の午後2時から5時になる予定です。



前回たくさんの方にお越し頂き、たくさんのワンちゃん、ねこちゃんがもらわれていったので、今回も期待しております。



詳しい内容は、わんぱーくさんのホームページなどで告知されると思うので、参考になさってください。

久々の時間外

最近めっきり時間外診療がなく、落ち着いていたのですが、つい先ほど、久々に時間外の診察をさせていただきました。



高齢のワンちゃんで、発作を起こされたとのことでした。



発作はいつ起きるか全く予測がつかないので、時間外で来られる方は多いです。



発作を起こした後は、しばらく興奮状態になり、発作を起こしやすい状態になってしまいますので、状態が安定するまでは、慎重に看ていく必要があります。



興奮状態にある時は、本人も訳が分からずしんどい状態だと思いますので、早く落ち着かせてあげたいと思います。

犬の避妊手術について3

昨日手術させていただいた、ワンちゃんのお話です。



チワワとダックスのミックスのコで1才、体重は3kgです。



男の子の去勢手術と女の子の避妊手術、それぞれ将来的に予防できる病気があるので手術を勧めております。



そして女の子は特に初回発情前に避妊することで、乳腺腫瘍の発生率が0.05%になると言われています。



なので、出来れば初回発情前にしてあげたいですね。



ちなみに避妊手術を初回発情後〜2回目以前にすると、乳腺腫瘍腫瘍の発生率は8%、2回目以降に行った場合は、発生率は26%だそうです。



また、若いコの手術は麻酔の覚めもよく、卵巣の靭帯や子宮がしなやかで伸びやすいので、傷口も小さくしてあげることができます。



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今回の傷口は17mmくらいで済みました。



術後の様子。



IMG_1036.jpg



傷口を舐めないようにタオルで作った服を着せております。



余談ですが、チワックスって、とても可愛いですね。

手術が重なる日

今日はわんちゃんの避妊手術が予定で入っていたのですが、急遽猫ちゃんの子宮蓄膿症の手術も入ってしまいました。



普段は全然暇なのに、手術が入っているときに重なるのはなぜなんでしょうか?



やはり、病気は待ってくれないということですね。



2件とも、無事に手術は終わったのですが、猫ちゃんの方が思ったよりも重症で、心配でみております。



無事乗り切ってくれることを願っています。

トラウマ

いつか言われるかもしれない。。。とビクビクしていたことが、ついに今日起きてしまいました。



今日、朝一で初めて来られた飼い主さんがいらっしゃったのですが、その方に



「スタッフの方ですか?」



と言われてしまいました。



実はコレ、僕の中ではトラウマワードになっています。



前の病院で働いていた頃、最初のうちはよく、



「あんた、本当に獣医か?」



とか、



「看護師の人ですか?」



とか、言われておりました。



第一印象でそういうふうに思われてしまうと、獣医師として診察、治療がうまい、下手以前の問題になるので、非常につらい思いをしました。



なので、ホームページに写真を載せたり、ブログで若く見られるアピールをしたりと、言われないための布石を打っていたのですが。。。



ついに言われてしまいましたorz



ただ、今回は、診察終わったあとに、「優しい先生でよかった」と、お褒めの言葉を頂けましたのでよかったです。



ちなみに最近の風貌はこんな感じです。



20140703_193015.jpg



きなこ様の飼い猫、イルくんとのツーショット。



去勢、避妊後に写真を撮るのが恒例になっています(笑)



あまり獣医師っぽくないですかね?

犬のニキビダニ症について

昨日、7ヶ月齢のフレンチブルドッグのコが、目のまわりと頬、足の痒みと脱毛で来院されました。



診させていただくと、特に目の周りの皮膚の赤み、脱毛がひどいです。



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皮膚の一部を引っ掻いて、取れた組織を顕微鏡で覗いてみると。。。



IMG_1022.jpg



ダニがいました。



ニキビダニというダニで、アカラスとも言います。



ニキビダニは、毛穴の中に寄生しているダニで、どのワンちゃんにも元々、少数は寄生しています。



それが、皮膚の免疫力が何らかの原因で低下したり、仔犬で皮膚の抵抗力が弱かったりすると、ニキビダニが繁殖してしまい、皮膚に激しい痒みをもたらしてしまいます。



皮膚の症状の場所は、今回のコのように、目や口の周り、足先に起きることが多いです。



治療は、疥癬の時と同じように、殺ダニ剤を使うのですが、疥癬よりも落ちづらく、時間がかかることが多いです。



疥癬が2、3週間で治療できるのに対し、ニキビダニは1、2ヶ月くらいかかってしまいます。



なので、根気強く治療を行う必要があります。



飼い主さんにとっては、通院期間が長くなるので大変ですが、しっかり治してあげたいですね。

無力さを痛感するとき

今日、ずっと隔離室にて集中治療をさせていただいていた猫ちゃんが亡くなりました。



その猫ちゃんは、左の顔面神経麻痺があり、自力で採食不能な状態でした。



強制給餌でなんとか嚥下可能でしたので、根気よく続けていて、少しずつ良化していた時に痙攣発作を起こしました。



その後は口に入れても嚥下不能になり、鼻からカテーテルをいれ、チューブフィーディングをしていたのですが、発作、下痢が悪化し、ついには力尽きてしまいました。



眼にブドウ膜炎もあったので、ドライタイプの猫伝染性腹膜炎(FIP)だったのではないかと思っていますが。。。



病気が何であれ、飼い主さんの期待に応えることができず、不甲斐ない気持ちでいっぱいです。



そして、自分よりずっとお辛い気持ちのはずの飼い主さんから、「手を尽くしてくださりありがとうございました」と、桃を頂きました。



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この桃の味を、一生背負っていきたいと思います。

7月になったので。。。

またまたホームページを更新しました。



今回は「飼い主様の声」に、先日ブログで紹介した、ハナちゃんの飼い主様に書いていただいた声を追加しました。



ハナちゃんの飼い主様、快く書いてくださり、本当にありがとうございますm(_ _)m



その素晴らしい内容については、ホームページでご確認ください。



これからも、「飼い主様の声」を募集しておりますので、当院への忌憚なきご意見、ご感想をお待ちしております。