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あおえ動物病院

2014年3月28日に、岡山県岡山市北区青江に新規開院した動物病院のブログです。

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犬の避妊手術について

昨日はわんちゃんの避妊手術をさせて頂きました。



日本系MIX、体重15kg、7ヶ月齢のKちゃんです。



犬の避妊手術も、猫の避妊手術と同様に、卵巣と子宮の両方取り出す手術になります。



そして、Kちゃんは臍ヘルニア(でべそ)もありましたので、同時に治すことになりました。



手術前の写真。



黒く盛り上がっている部分が臍ヘルニアです。



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手術後の写真



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なるべく小さい傷口にしてあげたかったのですが、臍ヘルニアの整復もしたので、どうしてもある程度の傷口の大きさが必要になってしまいます。



今回は6cmくらいです。



1泊入院後、無事飼い主さんの元へ退院となりました。



摘出した卵巣と子宮は、見ると気持ち悪くなる方もいらっしゃるので、希望者にのみお見せしています。



今回、飼い主さんにお見せしたのですが、お子さんたちがすごく興味津々でご覧になられていたのが印象的でした。



将来有望ですね(笑)



退院時は傷口をなめないように、エリザベスカラーをつけてお返ししました。



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お疲れ様でした。
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ヘルニアについて

「ヘルニア」という言葉を聞いてどんな病気を思い浮かべますか?



多くの方は、ヒトでも多い病気で、ミニチュアダックスでとても多い「椎間板ヘルニア」を思い浮かべるのではないのでしょうか。



ただ、ヘルニアには他の病気のことをさす場合もあります。



そもそも「ヘルニア」という言葉は、本来あるべき場所から逸脱してしまっている状態のことをさします。



なので、でべその状態の事を「臍(サイ)ヘルニア」(臍はへそのことです)と呼びますし、肛門まわりの所を会陰(エイン)と言いますが、お尻の筋肉が薄くなって、筋肉の隙間から、腹腔内の脂肪や直腸が出てしまっている状態を「会陰ヘルニア」と呼びます。



そして、後ろ足の内股のあたりを鼠径(ソケイ)部といいますが、そこの筋肉が薄くなって、腹腔内の脂肪が出てしまっている状態を「鼠径ヘルニア」と言います。



今日来られた飼い主さんも、鼠径ヘルニアでお悩みの方でしたが、なぜ腰の病気じゃないのにヘルニアと呼ぶのか不思議がられておりました。



紛らわしい用語ですが、一度覚えてしまえば、病気をスムーズに理解できると思いますので、ちょっと頭の隅に置いといてもらえればと思います。

猫の去勢手術について

今日は猫ちゃんの去勢手術をさせて頂きました。



男の子には陰茎(おちんちん)と陰嚢(たまたまの袋)がありますが、去勢手術は、陰嚢を切開し、中にある2つの睾丸(たまたま)を取り出す手術になります。



自分も男なので、とても痛そうだなと思いますが、望まない交配を防ぐ、攻撃性やスプレー行動のような問題行動を防ぐというメリットがあるため、手術を勧めています。



手術自体は簡単・・・と言ったら語弊があるかもしれませんが、おそらく獣医師になって初めてやる手術が猫の去勢手術だと思います。



後はどれくらい安全に丁寧にできるかですね。



避妊手術と同様、傷口もなるべく小さく済むよう心がけています。



手術後の写真。



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ちょっとわかりづらいですが、陰茎と陰嚢の部分です。



デリケートな部分ですので、抜糸不要の溶ける糸で縫っています。



あと、避妊手術は1泊入院になりますが、去勢手術は日帰りできます。



このコも夜に無事退院となりました。



お疲れ様でした。

アロペシアX

という名の皮膚病があります。



アロペシアは英語で「脱毛症」という意味で、原因もよくわからない脱毛症とのことから「脱毛症X」の名前が付けられました。



偽クッシング病、性ホルモン関連性皮膚疾患、成長ホルモン反応性脱毛、去勢反応性皮膚疾患、などさまざまな名前で呼ばれています。



好発犬種は、ポメラニアン、サモエド、キースボンド、チャウチャウ、シベリアンハスキー、アラスカン・マラミュート、ミニチュア・プードル、トイ・プードル、シェルティです。



症状は、1歳から4歳で発症し、痒みのない脱毛症が頭部と四肢端以外に起こります。



発病初期は明らかな脱毛は示さず、「毛のボリュームがなくなった」とのことで来院されることが多いです。



その部分の毛は艶がなくなり、乾燥しパサパサしています。この脱毛症は、皮膚だけに限局した病気で、脱毛症を起こしている外観以外は特に病気ではありません。



治療としては、発毛させる薬として、毛周期のサイクルを整える働きのあるお薬や、性ホルモンを抑える薬が使われることもありますが、効果は様々です。



ただ、最近では処方食で改善するという報告もあるみたいです。



原因不明なものに、ホルモンを抑える薬を使うのは、高価ですし、ホルモンバランスを崩すんじゃないかと使いづらい印象でしたが、ご飯で治るのなら非常に使いやすいと思います。

クラブハリエ

今日は以前子宮蓄膿症の手術をさせていただいたコの飼い主さんから、お土産を頂きました。



な、なんとっ!知る人ぞ知る、クラブハリエのリーフパイですっ!!



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補足しておきますと、クラブハリエというのは滋賀県のお菓子屋さんのブランドです。



でっかいバームクーヘンとか、リーフパイが有名です。



以前僕が滋賀県で働いていたことをご存知で、気を利かせて頂いたようです。



本当にありがとうございます。



そういえば、滋賀県で勤めていた病院は大きい病院でしたので、よく飼い主様からお菓子を頂いていたのですが、一緒に働いていた動物看護師さんたちが皆、素晴らしいくらいにお菓子好きでしたので、あんまり自分の口に入ってきた記憶がありません(笑)



じっくりと昔なつかしの滋賀の味を楽しみたいと思います。

飼い主様の声

最近来院された飼い主様にはお願いしているのですが、現在「飼い主様の声」を集めております。



どのような思いで当院に来院され、診察後どのように感じたかなど・・・



平たくいうとアンケートなのですが、この面倒くさい申し出に、既に2名の飼い主様が答えてくださいました。



マロンちゃんの飼い主様、チャーくんの飼い主様、本当にありがとうございますm(_ _)m



しかも予想を大幅に上回る文章の旨さで、ホームページに掲載しているのですが、一番素晴らしいページになっております。



ブログのコメントを見てもいつも思うのですが、皆様人の心を打つ文章を書くのが非常に旨いと思います。



代わりにブログも書いてもらいたいくらいです(笑)



そんなわけで、その素晴らしい内容についてはホームページでご確認ください。



そして、引き続き、飼い主様の声を募集しております。



良い所は伸ばし、悪い所は出来るかぎり改善していきたいと思っておりますので、皆様の忌憚なきご意見をお待ちしております。

熱中症に要注意

最近急に暑くなってきましたね。



今日は最高気温28度だったようです。



これからどんどん暑くなってくると、熱中症で来院されるコが増えてきます。



熱中症は、ヒトでも毎年死亡される方がニュースになっているように、動物も命に関わる状況になることもあります。



そしてさらに、わんちゃんねこちゃんは、ヒトのように汗をかいて熱を発散することができないので、ヒトより熱中症になりやすいです。



「パンティング」といって、ハァハァと呼吸を増やし、口から熱を発散することでしか、体内から熱を逃がすことができないのです。



なので、元々熱を蓄えやすい長毛種のコや、気道の弱い短頭種のコ、気管や心臓が弱くて咳が出やすいコなどは特に注意が必要です。



ただ、熱中症は、生活環境を気をつけていれば防ぐことのできる病気です。



日中の散歩を避け、朝、夕の散歩に切り替える、長時間家を空ける場合はエアコンを入れておくなど、暑さ対策をしっかりとしてあげてくださいね。

遠方より来たる

当院では初診の飼い主様に、カルテをお作りするために、基本情報を記入して頂くのですが、たまに遠方からわざわざお越しくださった方がいて、驚くことがあります。



今日は備前市からお越しの方がいらっしゃいましたし、先日は、加賀郡からお越しになった方もいらっしゃいました。



本当にありがたい限りです。



そして、恥ずかしながら、加賀郡が吉備高原のあたりの地名ということを知りませんでした。。。



自分の実家は赤磐市の田舎にあるのですが、そこより遠いかもしれません。



ここまでやってこられた労力を思うと、すごく恐縮してしまうのですが、わざわざ当院を選んでお越しくださった期待に応えられるよう、持てる力のすべてを注いで診察させて頂きました。

ペットホテル再び

今日はペットホテルで猫ちゃんをお預かりさせて頂きました。



しかも仔猫ちゃんなので、より慎重に見ていきたいと思います。



ヒトもそうですが、わんちゃん、ねこちゃんの子供も、大人と比べて、病気に対する抵抗力、体力が低いので、ちょっとしたことで体調が崩れやすく、時には重篤化することもあります。



例えば、下痢や嘔吐のときなど、成犬、成猫であれば、軽いものであれば、半日絶食で腸を休ませるだけで治ることがあります。



ただ、幼犬、幼猫の場合は、絶食させてしまうと、肝臓の耐糖能が弱いため、すぐに低血糖になることがあります。



低血糖は脳に栄養が送られなくなるため、命に関わります。



なので、そうならないように、幼犬、幼猫の状態に合わせた治療が必要になってきます。



ペットホテルの話から逸れてしまいましたが、幼犬、幼猫はそういったふうにデリケートですので、何かおかしいなと思ったら、早め早めに病院にご相談くださいね。

ペットの誤飲に要注意

今日は、ヒト用の軟膏を誤飲してしまったわんちゃんを診させて頂きました。



犬の異物誤飲は救急疾患としては一番多いです。



猫も異物誤飲することはありますが、圧倒的に犬、特に2歳未満の若いコに多いです。



チョコレート、タマネギなどの中毒性のあるものや、梅干し、桃の種、トウモロコシの芯、スーパーボール、ヒモ、タオル、ビニールなど、消化されないものなど。。。



誤飲して2時間以内であれば、胃に残っていることが多いので、催吐処置を行います。



ただ、石油製品や強酸性、強アルカリ性製品は、吐かせると逆によくないので、万が一何かを誤飲してしまった場合はすぐに病院にご相談下さい。



あと、誤飲に関しては、ほとんどが気をつけていれば防げます。



ひどいときは、腸につまって、腸閉塞、腹膜炎を起こし、手術が必要になったり、命にかかわる状況になりますので、普段の生活から気をつけてあげてくださいね。

縫合糸について

今日も猫ちゃんの避妊手術をさせて頂きました。



なので、ちょっと避妊手術について、つっこんだ話をしたいと思います。



当院では卵巣子宮摘出術といって、卵巣と子宮両方を取り出す手術をしております。



病院によっては卵巣だけ取り出す手術をするところもあります。



今の所、避妊手術のメリットである、病気の予防(乳腺腫瘍の発生率の低下、子宮蓄膿症の予防)などで、特にどちらの方が優れているというデータはないので、どちらの術式を選ぶかは獣医師の好みで分かれるのかなと思います。



あとは手術に使う糸の話です。



縫合糸には大きく、生体内で溶ける糸(吸収性縫合糸)溶けない糸(非吸収性縫合糸)があります。



吸収性縫合糸には、天然の材料である腸を使ったカットグット、合成材料であるポリグリコール酸(商品名デキソン、ケイセイボンデック、オペポリックス)、ポリグラクチン(商品名バイクリル)、ポリグリコネート(商品名マキソン)、ポリジオキサノン(商品名PDS) などがあります。



非吸収性縫合糸には、天然材料である絹糸、合成材料であるナイロン(編み糸と単繊維がある)、ポリプロピレン(単繊維のみ)、ポリエチレン(編み糸) があります。



たくさんあってややこしいと思いますが、要は、糸にはそれぞれいろいろな特徴(結び目の安定性、吸収糸の場合は生体内で解けて吸収されるまでの時間の長短など)があり、目的に応じて使い分けているということです。



そして当院の避妊手術では、自分の好みもありますが、血管の結紮や筋肉、皮下の縫合には、3週間は十分な強度を保有して、10週間で完全に吸収されるポリグリコール酸を使用しています。



糸は生体内では異物ですから、最終的にはなくなって欲しいと思うからです。



もちろん、糸の選択は、手術手技以上に獣医師によって千差万別ですので、これが絶対にいいというものではありません。



ただ、絹糸とカットグットだけは、安価なのですが、生体の異物反応を起こしやすいことがわかっているので、使いたくないですね。。。



去勢、避妊手術は、動物病院ではよくやられる手術ですが、飼い主さんにとっては、かけがえのない家族に対して施される手術ですので、縫合糸1つとっても慎重に選ぶ必要があると思っています。






追記

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飼い主さんから写メ頂きました!



避妊手術後の面会時の写真です。



術後も問題なく、無事退院できました。

迷い犬のお知らせ

先日、迷い犬を保護された方がチラシを持って来院されました。



迷い犬



○毛色・・・白から薄い茶色

○目の下、鼻筋に黒い模様

○首輪等なし

○5月16日夜9時頃、岡山市南区豊成ー北区十日市にわたる、用水路に転落していたところを保護

○転落していた時は吠えていたが、その後は吠えることも噛むような動作もなし。



お心当たりのある方は、当院にまでご連絡ください。

086−238−8090
aoe.animalhospital@gmail.com

林修先生の講演会

先日の話ですが、林先生の講演会に行ってきました。



前に書いた記事「ついに岡山に・・・っ!!」を見ていただいた飼い主さんから、「講演会行きました?」との声を頂きましたので、感想を書いておきたいと思います。



岡山市民会館で行われたのですが、比較的前の方に座る事ができ、林先生のご尊顔を近くで拝むことができました。



実際拝見して、テレビと全く変わらない印象でした。



そして、計1時間半の子供の教育についての講演でしたが、聞く者を飽きさせない、非常にエキサイティングな内容でした。



内容を書いていくと、いつまでたってもブログが書き終わらなそうなのでやめておきますが・・・



その講演の中で、地域ネタとして、「シャイン・マスカット」が出てきたのですが、皆様ご存知でしょうか?



あまりに美味しくて3kg太ったとおっしゃられるほどのものらしいです。



僕は、ぶどうと言えば、攻守ともにピオーネが最強だと思っていたのですが・・・



シャイン・マスカットは、皮ごと食べられて、糖度20度程度で酸含量は0.3~0.4 g/100 mLと低く、とても甘いみたいです。



いつか食べ比べをして、真のぶどう王者を決定したいと思います(笑)

譲渡会開催

今日の午後はわんぱーくさん主催の譲渡会が開催されました。



駐車場がいっぱいになるくらいたくさんの方々がお越し頂き、本当にびっくりしました。



病院内にも一度に入りきらないくらいの方々がお越しくださいました。
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このような活動に興味を持っている方がたくさんいらっしゃることがわかり、本当に嬉しい限りです。



結果、7匹のコたちが新たな飼い主さんのもとへ行くことが決まりました。



普段の譲渡会よりも多かったみたいです。



またこのような機会があれば、継続的に協力したいと思います。

ゴールデンタイム

まだ開院して1ヶ月半なのですが、何となく飼い主さんの来られやすい時間帯の傾向がわかってきました。



その時間帯のことを、「ゴールデンタイム」と勝手に命名しております。



だいたい、午前中は10時ー11時、午後は4時半−5時半までが、当院での「ゴールデンタイム」になります。



こちら側としては、非常に嬉しい時間帯なのですが、飼い主さん側からすれば、待ち時間ができてしまう可能性のある時間帯になってしまいます。



先日もたまたま「ゴールデンタイム」に飼い主さんが数組こられ、30分ほどお待ちいただくことになってしまった飼い主さんもいらっしゃいました。



逆に「ゴールデンタイム」以外では、ほぼ待ち時間ゼロで診察できております。
(今日の夜は例外的に待ち時間ができてしまいましたが。。。)



待ち時間というのは、貴重な飼い主さんの時間を無駄にしてしまうことになりますので、こういった時間帯があることを是非知っておいて頂けたらと思います。

譲渡会

わんぱーくさん主催の譲渡会が、5月18日(日)に、当院にて開催されます。



時間は午後2時から午後5時までになります。



わんぱーくさんについては以前に書いた記事「わんぱーくさん」を参考にしてください。



譲渡会について詳しいことについては、わんぱーくさんのホームページをご覧くださればと思います。



僕も譲渡会は初体験ですので、非常に楽しみです。



少しでも多くの方にお越しいただき、少しでも多くの命が救われるよう、微力ながらお手伝いできればと思っております。

最近は

腎不全の猫ちゃんを入院治療させていただいております。



食欲もなくよだれが出てきたとの主訴で、血液検査でも、重度の腎不全の数値だったのですが、点滴をしてあげると、今日は処方食も食べられるようになってきました。



腎不全が進行し、尿毒症がきつくなると、気持ち悪くて食欲がなくなり、吐き気が出てくるので、猫ちゃんは相当しんどいと思います。



前に「猫の慢性腎不全」についてで書いた通り、一度悪くなった腎臓を治すことはできないのですが、点滴治療で尿毒症を改善させ、気持ち悪さをとってあげることはできるので、これで大分楽になってくれたのではないかと思います。



腎不全もそうですが、根本的に治すことができない病気は、飼い主さんも非常につらいと思いますので、できるかぎりのことをサポートしていきたいと思っています。

疥癬(カイセン)の猫ちゃんの経過

先日、ブログ猫の疥癬(カイセン)についてでご紹介した猫ちゃんですが、あれから週一回の通院治療を行わせて頂きました。



今日で3回目の来院なのですが、かゆみも大分治まり、飼い主さんも非常に喜ばれておりました。



前回こんな感じでしたが・・・


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ここまで良くなりました。



後ろ足の方も・・・



前回
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今回
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改善してきております。



皮膚病は治療効果がわかりやすいので、これだけ良くなってくれると本当に嬉しいですね。

猫の避妊手術について

今日は「猫の妊娠について」の時にご紹介した子猫ちゃんたちのお姉さん猫ちゃんが、避妊手術に来られました。



わんちゃんの時もそうですが、避妊手術は健康なコに対して行う手術ですので、絶対に失敗できない手術として、獣医師としてはものすごくプレッシャーのかかる仕事の1つです。



今回も猫ちゃん頑張ってくれましたので、無事手術を終えることができました。



ちなみに子宮蓄膿症のときも、卵巣と子宮を摘出するという、避妊手術と同じことをするのですが、子宮蓄膿症の場合は、動物の状態が悪いため、自分の場合は、スピード優先で行っております。



反対に、今回の避妊手術のような予定手術の場合は、なるべく丁寧に、傷口も少しでも小さく出来るようにを心がけています。



今回の傷口は12、3mmくらいでした。



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手術後3時間くらいで、飼い主さんが面会にお越しくださいましたが、若いコは非常に麻酔の醒めがいいです。



まだ、傷口は痛いはずなのですが、全然そんなそぶりもみせず、喉を鳴らして喜んでいました。



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セカンドオピニオン

今日は午後から雨でしたので、診察0かなと思い、センチメンタルな気持ちで読書をしていたのですが。。。



なんと、セカンドオピニオンにお越しの飼い主さんがいらっしゃいました。



非常に難しく、デリケートな問題でしたので、内容は省きますが。。。



診察の難しさを改めて感じさせられた1件でした。



以前ブログに「いい動物病院の選び方」という記事を書いたのですが、そこにも書いたように、最近の動物病院はどこもレントゲン、エコー、血液検査など、検査機器は充実しております。



なので、検査をしっかりしていれば、たどり着く診断はどの病院でもほとんど同じだと思います。



ただ、それに対する治療の方向性が、飼い主さんの考えていることと温度差が出来てしまうと、いくら正しい治療をしていても、飼い主さんの不満が募ってしまいます。



頭ではわかっていても、知らず知らずのうちに自分もそういうことをしていたかもしれないと、考えさせられました。



そして、今回の飼い主さんにも、出来るだけ切なる想いに答えられるように、ご相談に乗らせて頂きました。



飼い主さんとペットとの「ペットライフ」が少しでも充実したものになるように、これからも邁進していきたいと思います。

犬のフィラリア症について

今日は、血液検査でフィラリアにかかってしまったコを見つけてしまいました。



なので、フィラリア症について少しお話したいと思います。



フィラリア症とは、犬の体内にイヌフィラリア(和名:犬糸状虫)が入りこみ、成長した虫が最後の場所(最終寄生場所:心臓や肺の動脈)に住みついた結果、さまざまな形で犬の体調を悪くする病気です。



フィラリア症になった犬の症状は、寄生してからの期間、寄生したフィラリアの数などで異なってきます。



一般的に、寄生数が少ない場合や病気の初期の場合はほとんど無症状ですので、見過ごしてしまいがちです。



病気が進行してくると、まず、気付くのは「咳」です。



さらに、元気がなくなり散歩を嫌がったりするようになります。



このときには既に心臓や肺の血管にダメージが出始めており、やがて肝臓や腎臓など体の主要な臓器にも影響をもたらすようになり、急激に痩せたり、お腹に水(腹水)がたまったりするようになります。



最終的には死に至ります。



また、稀な例では、このような慢性経過を経ることなく、突然に真っ赤なおしっこ(血色素尿)を出して、その後約1週間で死んでしまう、恐いタイプの病気もあります(急性大静脈症候群)。



診断ですが、フィラリアの成虫は心臓、肺の血管に寄生しているので、直接、見つけることはできません。



一般的には、血液検査にて、血液中のミクロフィラリアや、成虫が排泄したタンパク(抗原)を確認する方法がとられます。



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血液中のミクロフィラリアを顕微鏡で確認。



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成虫が排泄したタンパク(抗原)を確認するキット。
C、T両方ともに線が見えているのでフィラリア陽性です。



治療ですが、発症した犬に体力がある場合はフィラリアを駆逐する処置がとられることもあります。



しかし、駆除薬を投与した結果、死滅したフィラリアが肺の血管にどんどん詰まっていき、かえって病気を悪化させることもあります。



一方、急性の悪化症例の場合は緊急手術(頸部の静脈から特別な鉗子(かんし:金属等でできた先がつまみのようになったもの)を使って心臓内のフィラリアを釣り出す)を行わなければいけません。



虫の駆除や手術に耐えられないと判断された場合は、症状に対する対処療法を中心に行い、寄生フィラリア数の自然な減少を期待することになりますが、病気が良くなっていく可能性は高くありません。



フィラリア症は、ちゃんとした予防によって防ぐことのできる病気です。



毎年、必ず定期的にお薬を投与して下さい。



これ以上、また、これ以外にフィラリア症を防止する方法はないといっても過言ではありません。

犬のワクチンについて

今日は犬の混合ワクチン接種でお越しの方が多くいらっしゃいました。



せっかくなので、混合ワクチンを打たせていただいたわんちゃんには記念撮影をさせて頂きました。



最近病気のことばかりブログで書いていたので、健康なわんちゃんの写真を載せて、ほのぼのとした一面もお見せしたかったのですが。。。



うっかりしていて飼い主様の許可を取り忘れてしまったので、やめておきます。



それはそうと、犬のワクチンには「狂犬病ワクチン」と「混合ワクチン」2種類のワクチンがありますね。



初めてわんちゃんを飼われる方などは特に混乱してしまうかと思います。



今回は2種類のワクチンの違いについて、簡単に説明したいと思います。



「狂犬病ワクチン」と「混合ワクチン」はその目的が全然違います。



結論から言うと、「狂犬病ワクチン」は最終的にヒトの命を守ることを目的としており、「混合ワクチン」はわんちゃんの命を守ることを目的としています。



幸い日本では60年以上狂犬病の発生はないですが、もし万が一海外から狂犬病が入ってきたとき、ワクチン接種率が70%未満だと、狂犬病が蔓延してしまいます。



そして、狂犬病にかかった犬に噛まれると、ヒトも狂犬病にかかって亡くなってしまいます。



なので、公衆衛生の面から、犬の狂犬病ワクチンは生後90日以降であれば、年度ごとに1回打たなければならないと、法律で義務づけられているわけです。



逆に「混合ワクチン」は、最悪ヒトに感染するものではないので、義務ではなく、任意で動物病院で打つことになります。



ただ、混合ワクチンで予防出来る、パルボウイルスやジステンパーウイルスなどは、感染力が高く、もしかかってしまったら、犬にとっては致死的になるので、獣医療の面から接種を強く勧めているわけです。



わんちゃんは、2種類のワクチンがあってややこしいですが、是非ともしっかり両方とも予防してあげたいですね。

子猫の健診

今日は子猫を拾われた飼い主さんが健診にいらっしゃいました。



昨日拾われたばかりで、元気、食欲は問題ないとのこと。



生後3週間くらいの子猫ちゃんでした。



最初飼い主さんはワクチン接種希望だったのですが、生後2ヶ月までの子猫には、母親から初乳を介してもらった免疫があります。



その免疫がある間は、ワクチンを打っても効果がないので、ワクチンを始めて打つ時期は生後2ヶ月頃になります。



そして、1回のワクチン接種だと、十分に免疫がつかない可能性があるので、1ヶ月後にもう一度ワクチンの追加接種をします。



なので、子猫の場合は、2ヶ月齢時に1回、3ヶ月齢時に1回の計2回ワクチンを接種する形になります。



その後はワクチンの免疫は1年間もちますので、年1回ずつ接種していきます。



あとは、拾われた子猫ちゃんの健診としては、

・ノミ、ダニがいないか
・耳の中が汚れていないか
・カゼのような症状がないか(涙や鼻汁、くしゃみ、咳など)
・便の中に寄生虫がいないか
・先天的な異常がないか(口蓋裂や腹壁ヘルニアなど)

など、チェックします。



猫エイズ、白血病ウイルスにかかっていないかどうかは、特に他に同居猫がいる場合、気になるところですが、この年齢時に調べても、潜伏期間中で偽陰性が出たりするので、2、3ヶ月後まで待つ必要があります。



その間は、同居猫との接触を避けていただいたほうがいいですね。







余談ですが、ブログの背景を変えてみました。



少し明るく、動物病院のブログっぽくなったでしょうか?

犬の肥満細胞腫について

犬の皮膚に出来るガンの中で最も多いのが肥満細胞腫です。



肥満細胞腫とは・・・肥満細胞がガン化したものです。



肥満細胞とは・・・肥満とは全く関係ありません。



細胞のなかに小さな顆粒をたくさん持っており、昔の発見した人が、栄養豊富そうだなということから肥満細胞と名付けられたそうです。



肥満細胞は皮膚の血管周囲や筋肉、内臓など体の各所に存在している細胞で、さまざまな刺激によって生理活性物質を放出し、炎症反応を引き起こします。



皮膚にできるしこりの形ですが、肥満細胞腫は「大いなる詐欺師」の異名をもつほど多彩な外見を示します。



ある程度固いしこりであったり、脂肪腫のように柔らかであったり、脱毛を伴うこともあればそうでないこともあります。



また潰瘍や出血を伴う場合もあり、これという定まった形態をもちません。



肥満細胞腫を触っていると刺激を受けた細胞から生理化学物質が放出され周辺が赤くなったり、浮腫を起こすことがあります(ダリエ徴候)。



このように肥満細胞腫からは生理化学物質が刺激により容易に放出されるため、さまざまな合併症を起こします。



胃酸分泌の増加による胃潰瘍、胃穿孔、消化管潰瘍、嘔吐、食欲減退、腹痛、黒色便(消化管出血による)、血液凝固障害(血が止まりにくい)呼吸困難(肺水腫)などがそれにあたります。



なので、本当に恐ろしい病気です。



診断は、FNA(針吸引生検)で、細かい顆粒を充満した細胞が見つかれば肥満細胞を強く疑います。



今日来られた飼い主さんのわんちゃんもFNAで肥満細胞腫を強く疑いました。



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治療は手術、抗ガン剤、放射線治療、分子標的薬など様々です。



そのコそのコの状況によって、治療の選択肢は変わってくるので、慎重に決めていく必要があります。



もし、わんちゃんを触って皮膚の表面になにか腫れを発見した場合、大きさが小さくならない、大きくなる、数が増えると言った場合はお早めに動物病院にご相談ください。

犬の回虫について

今日は、わんちゃんの便の中に白い虫がいたとのことで来院された飼い主さんがいらっしゃいました。



こんな感じの虫です。



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これは「犬回虫」といって、最もポピュラーな消化管内寄生虫です。



今回は、実際の白い虫と便をお持ちいただいていたので、非常に診断が楽でした。



よく、「白い虫」がいたとだけ言われて、実物をお持ち頂けない時もあるのですが。。。



そのような場合、似たような虫に、条虫、鞭虫、鉤虫などがいますので、診断が難しくなります。



特に条虫の場合は、治療薬が変わってくるので、しっかり区別することが大事になってきます。



なので、便に変な虫がいた場合、気持ち悪いとは思うのですが、病院に一緒にお持ちいただければ、診断においてすごく助かります。



実際の白い虫が見られない場合、糞便検査で虫の卵を確認します。



今回のコも、他の寄生虫にかかっていないか心配でしたので、念のため、糞便検査で確認させていただきました。



犬回虫卵はこんな感じです。



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幸い、他の虫卵は見つかりませんでした。



治療に必要な犬回虫の駆虫薬ですが、これはご存知の方も多いかと思いますが、フィラリア予防薬の中に、回虫も一緒に駆虫してくれる薬があります。



今回のコもフィラリア予防もこれからということでしたので、駆虫薬としてフィラリア予防薬をお渡ししました。



あと、犬回虫はヒトにも感染する人獣共通感染症の一種です。



糞便中の卵がヒトの口に入ることで感染しますので、糞便の処理は十分注意してくださいね。

ゴールデンウイーク終了

あっという間の4連休でしたね。



当院は、連休中も営業していたこともあり、普段かかりつけの病院が休みなのでこちらに来られたり、近隣の病院が休みなので、かなり遠方から開いている病院を調べて来られた方もいらっしゃいました。



病気は連休中も待ってくれないですからね。



当院は飼い主さんにとって、使い勝手のよい「コンビニ」のような動物病院でありたいと思っていますので、かかりつけが休みで一時的に困ったときなどでも、お気軽にご利用いただければと思います。



24時間365日、いついかなる時も対応できる動物病院を目指していますが。。。



この前完全に油断してて、夜中の3時の電話を取り損ねてしまったので、まだまだ修行が必要ですね(笑)

猫の慢性腎不全について

今日は中高齢の猫ちゃんがかかる病気で圧倒的に多い、慢性腎不全について書きたいと思います。



「慢性腎不全」とは、年をとってきたことにより腎臓の機能が落ちてきて、本来は腎臓がろ過して尿の中に排泄されるべき体の老廃物や毒素が体内にたまってきてしまう病気です。



その老廃物は体には有害なため、気持ち悪くなって吐き気が出てきたり、食欲元気が徐々に落ちてきたりします。



そして最終的には腎臓の機能が完全になくなってしまい、死に至ります。



ほとんどの猫ちゃんが年をとってくると、最終的にはこの「慢性腎不全」になっていきます。



初期症状としては、水の飲む量が増える、おしっこの量が増えて薄くなる、体重が徐々に減ってくるなど。。。



治療は、残念ながら、一度悪くなってしまった腎臓を元通りに治すことはできないので、残された腎臓の機能をこれ以上悪化させないよう、投薬や処方食を使います。



ただ、早い段階で発見し、適切に治療を行い、弱った腎臓の機能を補助してあげれば、猫ちゃんの生活をある程度快適な状態に保つことが可能です。



なので、元気そうに見えても、最近水を良く飲むとか、少し痩せてきたかなとか感じるようであれば、早めの検査をおすすめします。

今日はなんと・・・っ!!

おかやま信用金庫の支店長さんが、ペットの柴犬を連れてお越しくださいました。



おかやま信用金庫さんは以前ブログに書きましたが、当院に将来性を見いだしてくださり、融資をしてくださっております。



先日も挨拶にお越しくださり、今度狂犬病ワクチン接種にくるとおっしゃって頂いていたのですが、、、



今日の私服姿と、先日のスーツ姿とあまりにギャップがあり、最後まで気付きませんでした。。。



お会計の時に、住所が少し離れた所でしたので、興味本位で「どうして当院をお知りなったのですか?」と聞いて、判明いたしました。



開院時にお花まで頂いていたのに、全く気付かず、本当に申し訳ありませんでしたm(_ _)m



今後とも、当院ともどもよろしくお願いいたします。

ゴールデンウイーク

今日から4連休ですね。



皆様充実したペットとの時間をお過ごしでしょうか?



当院も今日から7日までは、午前中のみの営業となります。



もちろん時間外も対応しておりますので、何かお困りの際は気軽にご連絡頂ければと思います。



今日も、先日ブログでご紹介したわんぱーくさんの子猫ちゃんが、急に調子が悪くなったと午後に連絡があり、時間外に診させていただきました。



あとは、ペットホテルもお預かりさせていただいております。



入院のコとはまた違ったプレッシャーがありますね。。。



さすがに、泊まってまで看ることはないですが、長時間空けるのはちょっと心配ですので、夜中もちょこちょこ様子みてきたいと思います。



寝てるところを起こしてしまったらごめんなさいm(_ _)m

無事退院

今日無事に子宮蓄膿症で入院していたわんちゃんが退院しました。



入院中の経過も日に日に良くなっており、今日は帰りたそうに「くぅーんくぅーん」と入院室の中で寂しそうな声で鳴いておりました。



飼い主さんがお迎えに来られたときは、やはり嬉しいようで、はしゃいでいました。



病気のコが手術を乗り越えて、元気になって退院するところは、いつみても嬉しいです。



そして、このブログをみてくださって、コメントまでくださった飼い主さんから、今日もまたプレゼントを頂きました。



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ハリネズミのぬいぐるみです。飼い主さん大好きなんだそうです。



本当にありがとうございます。



病院の新たなマスコットが誕生しました。


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